WheelTopの電動コンポーネント「EDS」の特徴、スペックまとめ
中国メーカーWheelTopが新しくリリースした格安電動コンポーネント「EDS」についてスペックや特徴をまとめました。
最終更新日: 2023/10/18
公開日: 2021/09/24
時代の流れが来ているディスクブレーキとキャリパーブレーキやVブレーキなどの従来のリムブレーキ。それぞれの違いやメリット・デメリット、どちらを選ぶのが良いのかをまとめました。
この記事の目次
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比較項目 | ディスクブレーキ | リムブレーキ |
---|---|---|
ストッピングパワー | 同じグレードなら同等程度 | 同じグレードなら同等程度 |
雨天時の制動力 | 高い | 低い |
ブレーキシステムの重量 | やや重い | 軽い |
ホイールの寿命 | リムへの負荷が小さいため長い | リムの摩耗次第で短い |
ブレーキパッドの寿命 | 比較的長い | 比較的短い |
調整が必要な部品の数 | 多い | 少ない |
メンテナンスのしやすさ | 複雑 | 簡単 |
ディスクブレーキとリムブレーキは大きな違いがあるように思えますが、実は仕組みは同じで「挟んで制動する」です。
キャリパーブレーキ、Vブレーキなどの従来のリムブレーキがホイールのリムを挟んで制動するのに対して、ディスクブレーキはホイールハブに取り付けられたローターを挟んで制動します。しかし、どちらも「挟んで制動する」という仕組み自体は同じです。
つまり、両者の違いは「挟む場所の違い」ですが、これが大きな違いにもなってきます。
「リムブレーキに比べてディスクブレーキの方が制動力がある」とよく言われていますが、正しくは「油圧ディスクブレーキなら、リムブレーキよりも細かく・強い制動が出来る」です。
ストッピングパワーでいえばVブレーキはかなり強力ですし、キャリパーブレーキも上位グレードなら十分なストッピングパワーがあります。
ただ、違いが出てくるのはブレーキのかかり始め。油圧ディスクブレーキについてはブレーキのかけ始めからしっかり制動されますが、Vブレーキやキャリパーブレーキはしっかり制動がかかるのはレバーを6〜8割くらい引いたところからと言われます。
この違いが「ディスクブレーキの方がよく効く」と言う評価の正体です。これはディスクブレーキの性能もありますが、油圧に依存する部分も多いといえます。
ちなみに、細かい調整が苦手な機械式ディスクブレーキは、上位グレードのリムブレーキよりも制動力が落ちるとも言われていますが、GROWTACのEQUALシリーズのような、機械式でも油圧ブレーキに近い高い制動力を持つ機械式ディスクブレーキも登場しています。
ロード向けメカニカル(機械式)ディスクブレーキ・キャリパーまとめ
メンテナンスのしやすさや、リムブレーキコンポからのディスクブレーキへのアップグレードが低コストで行えるメカニカル(機械式)ディスクブレーキ・キャリパー。主なメーカーのモデルをラインアップし、比較しました。
ディスクブレーキの強みは水や砂などの異物に強いこと。
リムブレーキは雨天など路面が悪いと、水や砂などリムに付着して、ブレーキシューとリムの摩擦係数が下がって、制動力が落ちてしまいます。これはリムは路面から近いためで、避けることは出来ません。特にリムカーボンのホイールの場合は、上位グレードのカーボン専用シューを使わないと「雨の日はほとんど効かない」と感じる人もいるほどです。
一方のディスクブレーキは、挟み込むディスクローターはホイールハブに取り付けられているので、ブレーキ面が路面から距離があります。そのため路面の影響を受けづらく、路面や天候による制動力の低下が少なくなります。
ロードバイクは全天候型の乗り物ですから、雨の日でもライドをすることがあります。特にプロの場合は、「今日は雨だからレースは欠場しよう」とは行きませんので、雨天でも制動力が下がらないディスクブレーキを選ぶのは当然です。
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次に、それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
ディスクブレーキ | リムブレーキ | |
---|---|---|
メリット | ・強力な制動力で短距離での減速に優れる ・雨天時の制動力が高い ・リムにかかる負荷が少ないため、ホイールの耐久性が高い |
・ブレーキシステムが軽量のため車体重量を軽くできる ・メンテナンスが容易で、初心者でも扱いやすい ・車体が安く、修理費用も安くすむ |
デメリット | ・ブレーキシステムが高価で、車体価格が高くなる ・車体重量が重くなる ・メンテナンスがやや複雑 |
・雨天時の制動力が低い ・ブレーキパッドの寿命が短く、交換が頻繁に必要 ・リムの摩耗が進みやすい |
こうして比較してみると、ディスクブレーキが万能というわけではないことがわかります。
実際に、プロロード選手でも「リムブレーキの方が好きだ」という選手もしますし、UCIワールドツアーチームであるイネオス・グレナディアーズは、競合チームがディスクブレーキに移行する中で、2021年途中までは「ディスクブレーキ車の重量が、チームが求めるレベルではない(重い)」ということで、リムブレーキバイクを実戦で使っていました。
かつてのロードバイクは「ナローリムで軽量」が主流でしたが、現在はロードバイクを中心に、リムハイトが高くより空力に優れた「エアロホイール」が主流になってきています。
自転車のホイールにおいては、金属リムでは「エアロ性能が高いディープリム = 重い」というのが常識で、重量の面からリムハイトが高いエアロホイールはタイムトライアルなど以外では避けられる傾向にありました。しかし、現在ではカーボン加工の技術が進化したことによって、ディープリムのホイールでもカーボンを採用することで軽量化が可能になっています。
自転車におけるエアロへの注力は、フレームやホイールだけでなく、ハンドル、ヘルメットにまで広がっていて、今やバイクを選ぶ際の選択ポイントの一つになっています。
自転車のホイールの構成パーツであるリムは、
の3種類がメインです。
ここ数年でロードバイクを中心にバイク全体の軽量化が高性能バイクの必須条件となってきており、車体の重量の中でも大きなウェイトを占めるホイールリムも、軽量化をしなくてはならなくなりました。
そんな中、上位グレードのホイールを中心に採用されるようになったのがカーボン素材。カーボン素材は金属よりも軽量なのがメリットですが、カーボンは金属に比べて熱に弱く、「リムにシューを押し付けて制動する」リムブレーキでは、摩擦熱でリムが変形したり、破損したりするケースが出てきました。
そこで注目を浴びたのがディスクブレーキ。ディスクブレーキは金属製のローターで制動をするのでリムの素材はブレーキには影響しません。つまり、「カーボンで軽量化もしつつ、リムの変形を未然に防ぐことが出来る」ことから、業界的にディスクブレーキへのシフトが起こっていると言われています。
こうして、時代は油圧ディスクロードの時代になり、現在では大手ロードバイクメーカーの上位モデルは全て油圧ディスクロードになっています。
では「リムブレーキはもうお終いなのか」というかそうでもありません。まだまだ、20万円未満のエントリーからミドルクラスのロードバイクではリムブレーキモデルもたくさんあるため、先数年間はディスクブレーキモデルと共存する形になるでしょう。
実際に、「ディスクブレーキの波が来ている」と言われ始めた2022年以降も、一部の大手メーカーはリムブレーキのロードバイクを製造し続けています。
また、中古市場を考えると、ディスクブレーキに移行したユーザーがリムブレーキの資産(ホイールやコンポなど)を放出するようになるので、今後数年はリムブレーキの中古市場は在庫が潤沢になる可能性があります。
そう考えると先5年くらいはリムブレーキがメインでも問題ないでしょう。そのうちに、ディスクブレーキの完成車やパーツの値段がこなれてくるはずなので、そうなってから乗り換えても問題ありません。
ただし、リムブレーキの新製品は今後あまり出てこなくなるため市場の新品在庫は減少傾向になっていくと予想されます。しばらくの間リムブレーキ車を運用する予定なのであれば、状態の良いリムブレーキコンポやホイールを、1、2年くらいで入手しておいた方が良いかもしれません。
また、リムブレーキからディスクブレーキへのアップグレードは基本できないことは知っておくべきでしょう。
ディスクブレーキを自転車に搭載するには、
の4つの点が必須です。
特に問題になるのがリアエンドで、リムブレーキの自転車のリアエンドは、130mmか135mmエンド幅(OLD)のクイックリリース式がほとんどですが、現在のディスクブレーキホイールは142mmのスルーアクスルがほとんど(旧車や135mmクイック式ディスクフレームも一部ある)。つまり、ディスクホイールをリムブレーキバイクに取り付けることは、物理的に出来ないと思っておいた方が良いでしょう。
この辺りは、これからリムブレーキの自転車を買うデメリットの一つでもあるので、どれくらいその自転車に乗り続けるのかも、購入の際に検討したいポイントの一つになります。
ロードバイクのディスクブレーキ化に必要なパーツと買う時の注意ポイント
現在のリムブレーキ・ロードバイクをディスク化が可能かの判断ポイントをまとめて解説。ディスク化する際に必要パーツと、フレーム・ホイール、ブレーキなどのパーツ互換性、注意ポイントをまとめました。
「停止力」という意味では、必ずしもリムブレーキがディスクブレーキよりも劣っているとは限りませんが、細かなブレーキングができる「制動力」という観点ではディスクブレーキの方が優れていると言われています。
ただし、自転車のブレーキの効きは、ブレーキタイプの違いだけでなく、
に大きく影響を受けます。
上位グレードのディスクブレーキでも適切なセッティングがされていなければ効きは悪くなりますし、下位グレードのリムブレーキでもしっかりとセッティングをすればディスクブレーキと同じくらい効く場合もあります。
ただし、一般的に雨天などブレーキパッドが濡れる場面では、ディスクブレーキの方が制動力が落ちないとされています。
ディスクブレーキはローターを挟んで制動をするため、制動時にリムを挟むことはありません。その意味ではカーボンリムブレーキであった「ブレーキングによるカーボンリムの熱変形・破損」を防ぐことができます。
ただし、ディスクブレーキなら、絶対にブレーキングでカーボンリムを破損はしないとは言い切れず、製品やホイールの状態(スポークテンションなど)によっては、ブレーキング時にカーボンリムを破損させてしまう可能性はゼロではありません。
ディスクブレーキのロードバイクを選ぶデメリットは重量とコストのアップです。
ディスクブレーキは、ブレーキキャリパーだけでなくローターも必要となるため、それだけで重量がアップしますし、ディスクブレーキ用のハブは強度を出すためにリムブレーキ用のハブより重くなります。そのため、同等スペックのリムブレーキ・ロードバイクと比較すると、ディスクブレーキ車の方が数百gほど重くなるのが一般的です。
また、ディスクブレーキは部品点数も多く、パーツの値段もまだ高いことから、車体価格も20〜30%ほど高くなります。
リムブレーキのロードバイクは、重量、メンテナンス性の高さからまだまだ人気があり、ヒルクライムなど車体重量が重要になるシーンでは「敢えてリムブレーキ・ロードバイクを選ぶ」というユーザーも多くいます。そのため、ディスクブレーキ全盛の時代でも、リムブレーキのロードバイクに乗るメリットはあります。
ただし、ロードバイクメーカーがディスクブレーキに全面移行を進めていることから、今後、リムブレーキのパーツ供給が少なくなっていくことは確実なため、保守という面でデメリットがあることは知っておくべきでしょう。
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