WheelTopの電動コンポーネント「EDS」の特徴、スペックまとめ
中国メーカーWheelTopが新しくリリースした格安電動コンポーネント「EDS」についてスペックや特徴をまとめました。
最終更新日: 2023/10/25
公開日: 2020/12/28
どのホイールがシマノのどのスプロケットに互換するのか、いろんな組み合わせがあって意外と混乱しがちです。今回は、ホイール・スプロケットの規格から、スプロケットとホイールの互換をわかりやすく、覚えやすく解説します。
この記事の目次
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スプロケットとホイールの互換性が「ホイールとスプロケットは必ず同じ段数の専用品を使うこと」となっていれば理解は簡単なのですが、シマノはスプロケットとホイールの互換性を比較的広く持たせています。
ユーザーにとってはコンポーネントの選択肢を広げるという大きなメリットがあるのですが、様々な種類の互換性が発生した結果、わかりづらくなってしまったのでしょう。
ただ、一見複雑に見えるシマノのホイール・スプロケットの互換性ですが、
という「3つのポイント」を知れば、実は互換性は意外とシンプルです。
まずはシマノのホイール側のスプロケット取り付け規格である「フリーボディ」の種類を見ていきましょう。
ホイールを選ぶ際は、スペックの対応スプロケットの部分に「シマノ・フリー」とあるものを選ぶのが一般的ですが、実は一言に「シマノ・フリー」と言っても、5つの種類が規格があります。
規格 | 主な採用ホイール | 溝の数 | アウターボディの高さ(mm) |
---|---|---|---|
HG spline L2 | ロード・12速ホイール | 18 | 37.65 |
HG spline L | ロード・11/12速ホイール | 9 | 36.75 |
HG spline M | ロード・8〜10速ホイール MTB・9〜11速ホイール |
9 | 34.9 |
HG spline S | 7速ホイール | 9 | 31.0 |
Micro spline | MTB・12速ホイール | 23 | 26 |
フリーハブとカセットスプロケットスプラインの互換性 | シマノ
大きく分けると、「HG spline系」と「Micro spline」に分けることができるため、それぞれ分けて見ていきましょう。
シマノの変速技術である「Hyper Glide」の頭文字を取ったフリーボディ規格が「HG spline(HGスプライン)」。「シマノフリー XX速」、「シマノHG XX速」とも呼ばれます。
一言に「シマノHG XX速ホイール」と言っても、シマノのHG spline系フリーボディには、フリーボディの高さと溝の数によって、4つ種類があります。
規格 | 主な採用ホイール | 特徴 |
---|---|---|
HG spline L2 | ロード・12速 | ・ロード向け12速専用ホイールのフリーボディ規格 ・溝の数が18本で見た目でも違いがわかる |
HG spline L | ロード・11/12速 | ・ロード用11速スプロケット用として登場 ・その後登場したロード向け12速スプロケットにも対応 ・溝の数はHG spline Mと同じで高さが1.85mm高い ・スペーサーを入れれば8〜10速にも対応する |
HG spline M | ロード・8〜10速 MTB・9〜11速 |
・10速までのスプロケットと一部11速スプロケットに対応 |
HG spline S | 7速フリー | ・カセット式7速用フリーハブ |
元々、8速からMTB向けの11速までは「HG spline M」でしたが、ロード向け11速リリース時に溝の数や形状が同じで、高さが1.85mm高くなった「HG spline L」が登場します。
その後、ロード向けコンポーネントが12速化した際に登場したのがロード12速専用の「HG spline L2」フリーボディ。溝の数が倍の18本になり、高さが0.9mm高くなっています。
ただ、ロード向け12速スプロケットは従来の「HG spline L」とも互換性を残したため、これまで「シマノ・ロード11速ホイール」と呼ばれたものが、実質的に「シマノ・ロード11/12速ホイール」となります。
なお、「HG spline L」はスペーサーを入れれば8〜10速スプロケットにも対応するため、Micro splineスプロケット以外のほぼ全てのシマノ・スプロケットと互換性があることになります。
シマノのMTB向けの12速で採用されたのがMicro Splineという新しい規格。従来のHGスプラインが「シマノフリー」、「シマノHG」と呼ばれるのに対して、Micro Splineは「シマノMS」と省略されて表示されることもあります。
フリーボディの溝の数がHG spline系よりも23本と多く、フリーボディ自体の高さも26mmと低く設計されているのが特徴です。
Micro Splineになることで、スプロケット12速に対応するだけでなく、ロード向け12速では存在しない「ロー最小ギア・10T」にも対応します。
規格 | 主な採用ホイール | 特徴 |
---|---|---|
Micro Spline | MTB・12速* | 溝が23本と多い。2024年現在、MTB系の12速のみ対応 |
XTR M9100系発表時には「CS-M9110-11」というMicro Splineの11速スプロケットが発表されましたが、発売キャンセルとなっています。
フリーボディにも種類がたくさんありますが、実は取り付けるスプロケットにはそれ以上の種類があります。
シマノのスプロケットには、下記のような種類があります。
規格 | 特徴 |
---|---|
Micro spline 12速スプロケット | MTB・12速スプロケット。Micro splineにしか互換しない |
HG spline L2 12速スプロケット | ロード・12速スプロケット。 |
HG spline L 11速スプロケット | ロード・11速スプロケット。HG spline Lにしか互換しない |
HG spline M 11速スプロケット | HG spline Mサイズのロード・MTB11速スプロケット 1速がスポーク側にせり出す |
HG spline M 10速スプロケット | ロード10速、MTB速のスプロケット |
HG spline M 旧ロード10速スプロケット | 旧式のロード10速のスプロケット HG spline M 10速より高さが1mm低い |
HG spline M 9速スプロケット | ロード、MTBの9速スプロケット |
HG spline M 8速スプロケット | ロード、MTBの8速スプロケット |
HG spline S 7速スプロケット | ロード、MTBの7速スプロケット |
※ これ以外にもボスフリー・スプロケットが存在する
10、11、12速については、同じ変速数でもモデルによって対応するフリーボディが変わってくるため、特に互換性を注意したいスプロケットです。
ここまで見てきたホイールのフリーボディとスプロケットの互換性をまとめると下記のようになります。
スプロケット/フリーボディ | Micro spline | HG spline L2 | HG spline L | HG spline M | HG spline S |
---|---|---|---|---|---|
MS・12sスプロケット | ◎ | - | - | - | - |
HG-L2・12sスプロケット | - | ◎ | ◎ | - | - |
HG-L・11sスプロケット | - | - | ◎ | - | - |
HG-M・11sスプロケット | - | - | ◎ 1.85mmスペーサー |
◎ | - |
HG-M・10sスプロケット | - | - | ◎ 1.85mmスペーサー |
◎ | - |
HG-M・旧ロード10sスプロケット | - | - | ◎ 1mm + 1.85mmスペーサー |
◎ 1.0mmスペーサー |
- |
HG-M・9sスプロケット | - | - | ◎ 1.85mmスペーサー |
◎ | - |
HG-M・8sスプロケット | - | - | ◎ 1.85mmスペーサー |
◎ | - |
HG-S・7sスプロケット | - | - | - | - | ◎ |
シマノの12速フリーボディとスプロケットの互換性は、
と言う点を覚えておきましょう。
11速スプロケットは「HG spline L 11速スプロケット」と「HG spline M 11速スプロケット」の2種類あります。このどちらかなのかによって、対応するフリーハブが変わるのと、スペーサーの有無も変わってきます。
さらに詳しい解説は下記のページからどうぞ。
10速スプロケットも2種類あります。
なお、「旧式ロード10速スプロケット」は、CS-7900、CS-7800、CS-6700、CS-6600、CS-5700、CS-5600の6種類で、「DURA-ACE、ULTEGREA、105の10速時代のスプロケット」と覚えておくと簡単です。
さらに詳しい解説は下記のページからどうぞ。
完成車のホイールが「何速ホイールなのか?」を知るには、どのフリーボディを採用しているのかを知るのがベストです。
しかし、完成車メーカーのスペックにフリーボディ規格まで記載されていることは少ないため、完成車の標準で取り付けられている「スプロケットの型番」と「スペーサーの有無」から調べるのがベストです。
完成車の変速数 | 見分け方 |
---|---|
ロード・12速完成車 | スプロケットを外して、溝の数をチェック 18本ならHG spline L2、9本ならHG spline L |
ロード・11速完成車 | 基本的にはHG spline L スプロケットを型番で調べてHG spline Mモデルかをチェック |
MTB・12速完成車 | スプロケットがシマノ純正ならMicro spline 社外品の場合、HG spline Mの場合あり |
MTB・11速完成車 | 基本的にはHG spline M 1.85mmスペーサーが入ってたらHG spline L |
ロード/MTB・10速完成車 | 基本的にはHG spline Mだが、スペーサーの有無で判断 スペーサーがなかったらHG spline M 1.85mmスペーサーが入ってたらHG spline L 1mmスペーサーが入ってたらロード10速専用ホイール 1mm + 1.85mmスペーサーが入ってたらHG spline Lに旧10速スプロケット |
ロード/MTB・8・9速完成車 | 基本的にはHG spline Mだが、スペーサーの有無で判断。 スペーサーがなかったらHG spline M 1.85mmスペーサーが入ってたらHG spline L |
ロードの派生コンポであるGRX12速がMTB12速スプロケットと互換するため、12速の「変速の互換性」という意味では、ディレイラーの対応スプロケット歯数、トータルキャパシティがシマノの定めた範囲内であれば、シマノの12速同士で「互換性がある」と言えます。
ただし、シマノのロード向け12速は、リアディレイラーのロー最大が36Tまでしか対応していないため、ロードコンポで組み合わせるのは実質不可能です。
先述した通り、GRX12速は一部のモデルでフロントシングル&リア・ロー最大50Tなどに対応するモデルがあるため、そちらと組み合わせて使うことは可能です。
シマノのコンポーネントは、リアディレイラーのキャパシティ内で同じ段数であれば互換性があります。
シマノの10速コンポーネントは、リアディレイラーのロー最大の差がロード用とMTB用でそこまで大きくないため、共用できる製品が多くなります。
シマノのロード・MTB向けの10速スプロケットは「HYPERGLIDE」という規格、CUESの10速コンポは「LINKGLIDE」という別規格になっているため、使うことができません。CUESの10速コンポーネントで使うスプロケットは、LINKGLIDE規格のものになります。
スプロケットを取り付けるフリーハブの規格は、シマノのロード・MTB向けの10速もCUES 10速もどちらも「HG Spline(通称:シマノフリー)」という規格なので、スプロケットの取り付け自体はできますが、ロード・MTB向けスプロケットでは、CUESのシフターでうまく変速できないはずです。
ロードの11速スプロケットとMTBの11速スプロケットは同じ高さではありません。MTBの11速スプロケットは8〜10速フリーボディ(HG Spline M)に合うようにデザインされているためです。
そのため、ロードの11速スプロケットをMTBの11速が取り付け可能なフリーハブに取り付けることはできません。
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