全国的に加入の義務化が進んでいる自転車保険。今回は、どんな会社が自転車保険を取り扱っているのか、大手を中心にまとめました。
自転車保険の基本的な考え方と選ぶ際のポイント
公開日: 2020/10/14
日本全国の都道府県で加入義務化が進んでいる「自転車保険」。種類も豊富でどれを選ぶか迷ってしまう自転車保険を選ぶ際のポイントをまとめました。
この記事の目次
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補償範囲の選び方
賠償責任補償の金額
自転車保険で重要なのは個人賠償責任補償の額です。
少額補償でない限り、自転車保険では賠償責任補償の限度額は1億円以上が通常です。一方で、これまでの自転車が起こした交通事故の判例での賠償額は大きいものでも9000万円ほどとなっているので、その意味では賠償責任補償の限度額は1億円で十分です。
だた、あくまでこれはこれまでの判例ですので、万が一を考えたら2億円コースにしておくとより安心でしょう。
地味に大事なケガの補償
公道における自転車は「弱者」に当たるので、自動車との事故の場合「弱者救済措置」自転車の過失割合は少なくなあるのが通常です。
ただし、公道での自転車の事故の場合、過失割合が0にならないにことがあります。基本的には自動車9:自転車1とも言われています。つまり、もらい事故でも自転車運転者に過失が認められてしまう可能性があります。
これはどういうことかというと、もらい事故の被害者なのに自分で通院費用などを負担する可能性があるということです。
普段自転車に乗っていると「そんなにケガしないだろう」と思いがちですが、鉄の塊である自動車と異なり、生身をむき出しにしている自転車では交通事故でケガをする可能性が高くなります。
その意味では自分のケガの補償範囲に入っている自転車保険を選ぶと安心です。
保険料の選び方
賠償責任補償をベースに、付加補償で選ぶ
自転車保険には概ね3つのコースが設定されていることが多いですが、一番高いコースが良いというものでもありません。
例えば、AコースとCコースの月払い保険料が2倍だったとして、賠償責任補償の限度額が2億から3億に上がったとしても、実際には2億円を超えるような判例はありませんから、月払い保険料を2倍払うメリットはあまりありません。
その意味では、自分が最低限担保したい賠償責任補償の限度額からまずコースを選びます。その上で、自分の自転車の利用シーンや頻度から、追加で付いていて欲しい補償を考えてコースアップしていくのがベストです。
賠償責任補償の限度額が低い = 足りなかったら自分で払える
賠償責任補償の限度額が低い自転車保険は、当然保険料の支払いが安くなります。追加のコストになってしまうので、できれば安く済ませたいという気持ちが出てしまいますが、賠償責任補償の限度額が低いということは、「足りなかったら自分で払える」という意味です。
例えば、貯金が1億円ある人であれば、安い自転車保険に入っておいて「確率は低いと思うけど、もし大事故を起こしてしまったら、自分の貯金から出す」というのであれば問題ありません。
しかし、賠償金額を払えない可能性があるのであれば、基本的には賠償責任補償の限度額が1億円以上の自転車保険に入っておくべきでしょう。
保険の対象範囲の選び方
独身の方は本人型で問題ありませんが、配偶者やお子様がいる場合は、ファミリータイプなどで一括で入った方が保険料が安くなります。
また、勤務先の団体保険に入っているケースなどでは配偶者と子供だけを対象とする「親族型」にすると良いでしょう。
自転車保険に入る際に知っておきたいこと
すでに個人賠償責任補償が付いた保険に入っていないか?
自転車保険でよくあるのが、すでに個人賠償責任補償に入っているケース。自動車保険だけでなく、賃貸の火災保険やクレジットカードの付帯保険にも個人賠償責任補償が付いていることがあります。
重複すると何か罰則があるわけではありませんが、重複しても両方から保険金が出るわけではないので、無駄にしないためにもすでに入っている保険の中身を知っておきましょう。
示談交渉が付いているか
自転車保険の場合は示談交渉サービスが付いていることが多いですが、個人賠償責任補償が付いている保険では示談交渉が付いていないケースがあります。
示談交渉は個人でやるのはかなり大変な上に、被害者・加害者が直接話をすると示談が進まないことがあるので、示談交渉サービスが付いているかは必ず確認しましょう。
自転車事故の確率と補償額に相関性はない
自転車が走る「公道というコミュニティ」は必ず他者との関係で成り立ちます。自転車に乗る場合、常に誰も走っていない道を走るということは稀ですので、いくら自分で注意をして運転していても、事故に巻き込まれる可能性があります。
自転車に乗っていて交通事故にあう可能性は、乗車する機会・時間が長ければ長いほど上がります。ただし、事故にあう確率が低いとしても、賠償責任補償が同様に低くなるとは限りません。
天気予報の降水確率と同じで、降水確率が40%だったとしても、降る雨が小雨な時もあればゲリラ雷雨な時もあります。同じように、交通事故にあう確率が低くてもいきなり大事故を起こしてしまう可能性はあります。
ですので、自転車保険に入る際は「あまり乗らないから」といった理由ではなく、事故を起こした際の最悪のケースを考えて選ぶ方が良いでしょう。
自転車保険の基本的な考え方と選ぶ際のポイントを見てきました。
賠償責任補償の限度額は最重要ポイントですので、しっかりと身にあった自転車保険を選びましょう。