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ロードバイクのホイールを構成するパーツと役割
最終更新日: 2023/03/10
公開日: 2022/01/25
シンプルなパーツなのに車体よりも高い製品もあるのがホイール。今回は、ロードバイクのホイールを構成するパーツと、それぞれの役割や規格をまとめました。
この記事の目次
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ホイールを構成する各パーツの規格と役割
リム
ホイールの円を形作るのがリムです。
リムには、
- タイヤを嵌め込む
- チューブを固定する
- スポークを固定する
- ブレーキとの摩擦を生む(リムブレーキ、Vブレーキなど)
という様々な役割があります。
リムの規格は大きく分けて「サイズ(円周の長さ、幅)」と「タイヤタイプ(クリンチャー、チューブラー、チューブレスレディなど)」の2つです。また、ホイールを手組みする場合は、「ホール数(スポークを嵌め込む穴の数)」も確認する必要があります。
リムはホイール全体の30〜50%ほどの重量を占めるため、メーカーごとに特色が出るパーツでもあります。各社、「素材(アルミ、スチール、カーボン)」や「リムハイト(高さ。24mm、35mmなど)」で違いを出して、ホイール全体の見た目だけでなく軽量化に取り組んでいます。
一般的に、リムハイトが高いほどエアロ効果が高くなり前によく進むようになりますが、リム全体の重量が上がってしまいます。リムハイトを低くすると軽量化は出来ますが、エアロ効果が下がります。
こうした矛盾を解決するために、最近のロードバイクホイールの上位モデルはカーボンリムが主流がとなっています。
ホイールのリム規格は、取り付け可能なタイヤの規格にも大きく影響します。特に、最近では30Cなどの太いタイヤを装着することも増えてきているため、そうしたタイヤに対応するワイドリムのホイールが選ばれます。
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ハブ
ホイール全体の回転を支えるのがハブです。
ハブは、回転を支える「シャフト(クイックリリース式、スルーアクスル式)」と固定されたシャフトをスムーズに回転させる「ベアリング」、それらを包み込む「ハブボディ」で構成されます。
リア側が多段変速の場合は、フリーボディもしくはボスフリーという規格のパーツで、スプロケットを取り付けます。また、ディスクブレーキ用ホイールの場合、ディスクローターを固定する機構もハブにあります。
規格としては、
- エンド幅(ロードバイクは、フロント100mm、リア130mm/135mm/142mm)
- スプロケット取り付け規格
- シャフト規格(クイックリリース式、スルーアクスル式、ナット締め)
- ローター固定規格(センターロック、6ボルト、AFS)
の4つがあります。
ハブの役割は回転ですが、ロードバイクが「回転することで前進する」ということから、ハブで抵抗が生まれないほど、ロードバイクはスムーズに前に進みます。逆に安いロードバイクのホイールには、抵抗の大きいハブが使われるため、ホイールを交換するだけでも走りがグッと軽くなることがあります。
スポーク
リムとスポークをつなげる役割を担うのがスポーク。単純なパーツに思えますが、意外と奥が深いのもスポークです。
スポークがホイールの中で重要なのは、
- 全体の重量に与える影響
- ホイール全体の剛性に与える影響
- エアロ効果
の3つです。
重量面では、格安スポークは1本10gくらいと1本としては軽量ですが、1つのホイールに20本以上のスポークが必要なため、実はホイール全体の20%ほどの重量はスポークが占めています。
また、スポークはリムとハブを繋ぐだけでなく、両者を引っ張る張力でホイール全体に硬さを出しています。スポークをしっかり張らないと、ホイールは重量がかかる度にリムがグニャグニャと変形してしまい正しく回転せず、ホイール・バイク全体の故障原因になります。逆に高過ぎると走りが硬くなってしまいます。
ホイールにおいて適切なスポークテンションが大事になりますが、高いスポークテンションに対応するために、スポークの強度を上げるとスポークが重くなり、スポークの強度を下げるとスポークテンションを高めることができないという矛盾を抱えたパーツでもあります。
最後にエアロ効果。ここ数年でエアロスポークと呼ばれる平型のスポークが多く導入されるようになりました。ホイールという回転体において、スポークは「扇風機の羽」のようなものなので、回転するだけで風を生み出し、推進力を削ぎます。それを軽減させるのがエアロスポークです。
ニップル
スポークとリムを繋ぎ止めるのがニップルです。
小さなパーツですが、スポークを張る時にはかなり強い力がかかるため強度が必要です。一方で、強度を高めると重量が増えるため、各社独自の規格や素材で軽量化を進めているパーツです。
素材では、アルミ、真鍮などが主に採用されます。
リムテープ
リムにスポークホール(スポークを通すための穴)が空いている場合は、リムテープを使うことで穴とチューブが擦れてパンクを防ぎます。
そのほかに、チューブレスレディ対応ホイールの場合は、チューブレスレディ用のチューブレス・リムテープを使うことで、空気漏れを防ぎ、チューブレスでタイヤを装着することが可能になります。
バルブ穴
ホイールのリムと空気を入れるバルブを繋ぐのがバルブ穴。リムが対応するバルブ方式によって、仏式、英式、米式と、3つのタイプのバルブ穴が存在します。
チューブ式のタイヤの場合や、タイヤチューブに空気を入れるためのバルブがチューブについています。チューブバルブは、リムのバルブ穴から通すことで、リムとチューブをつなぎます。
チューブレスタイヤを使う場合は、チューブが存在しないため専用のチューブレス・バルブを取り付けます。チューブレスホイールやチューブレスレディホイールでは、最初から専用のバルブが付属することが多いですが、付属しない場合は純正品やサードパーティのチューブレス・バルブを用意する必要があります。
ホイールメーカーは性能と重量、価格のバランスが腕の見せ所
ロードバイクのカスタムをするときには「まずは足回り(タイヤ、ホイール)から」と言われますが、ロードバイクのホイールを見ていると、ロードバイクの車体よりも高いようなホイールが出てきてビックリします。
しかし、ここまで見てきた通り、ホイールというシンプルな構造体でも、突き詰めると絶妙なバランスや工夫が必要なパーツであり、しかもロードバイクの走りに与える影響も非常に大きいパーツです。
ホイールメーカーは、ある程度定まっている規格という狭いフィールドの中で、素材やデザインを試行錯誤し、エンドユーザーである我々が購入しやすい価格で販売するという難題に挑戦しています。
その意味では、性能と重要、そして価格のバランスの良いホイールを出せるかが、ホイールメーカーの特色でもあり、腕の見せ所とも言えるでしょう。