「子供用・幼児用自転車に防犯登録は不要」と言われますが、実際にどういうルールになっているのでしょうか。法律を基に検証していきます。
ロードバイクに防犯登録は必要?防犯登録するメリットとしないデメリット
公開日: 2022/05/18
ロードバイクに乗っている人には、防犯登録をする人としない人がいます。今回は、ロードバイクに防犯登録は必要か、また防犯登録するメリットとしないデメリットをまとめました。
この記事の目次
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法律では「防犯登録」はどうなっている?
「防犯登録は法律で決まっているから、つけなくてはいけない」というイメージはあっても、実際どんな法律でどのように規定されているのかは知らないことがほとんどです。
防犯登録に関する規定は、「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」の中で、「自転車等の利用者の責務」の一つ(第12条の3)として規定されています。
(自転車等の利用者の責務) 第十二条 3 自転車を利用する者は、その利用する自転車について、国家公安委員会規則で定めるところにより都道府県公安委員会が指定する者の行う防犯登録(以下「防犯登録」という。)を受けなければならない。
では、防犯登録をしないとどうなるかというと、実は「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」には罰則規定がないため、防犯登録の義務を怠っても罰則はありません。
公道を走らなければ防犯登録をしなくて良い?
では、私有地などの公道以外で利用する自転車なら防犯登録をしなくて良いかというと、法律的にはそういうわけではありません。
「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」は、公道でのルールを定めた道交法と違って、自転車の利用全般に関する法律ですので、利用場所の規定はありません。
閉鎖された道路なら問題ない?
ロードレースなど、公道を閉鎖して行われる競技・レースで使うロードバイク場合は、道交法とは別の状況だから、防犯登録は不要かというとそうではありません。
まず、先程と同様、防犯登録は道交法とは別の法律で定められた自転車利用者の義務なので、道交法の影響は受けません。また、防犯登録の規定は、自転車を利用者全般に関する法律なので、公道の状況も関係ありません。
法律上は、ロードレース専用の自転車であっても、日本で利用する自転車である限り、防犯登録をする義務があります。
ロードバイクを防犯登録するメリット
ロードバイクは一般的な自転車と比較すると非常に高価な自転車です。数十万、中には100万円以上するロードバイクもあります。そうした高価な自転車が、そこらへんに置いてあったら、盗難に遭うリスクは高くなるでしょう。
防犯登録をすれば盗まれないとういことはないですが、防犯登録をしておくと、盗難時に登録番号を使って警察に届出を出すことができるのは大きなメリットです。もし盗難車が見つかった場合は、登録情報から持ち主に連絡が来る仕組みになっています。
また、防犯登録をしないロードバイクは「盗んでも届出されない」という意識が犯人に働くので、防犯登録をしておくことで、ある程度の防犯効果はあるでしょう。
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ロードバイクを防犯登録しないデメリット
では防犯登録をしないとどんなデメリットがあるのでしょうか。
まず第一に、先程指摘した盗難時に登録番号を使って警察に届出を出すことができないというのが最大のデメリットです。たかが660円とちょっとした見た目の違いで、盗難にあった時に、捜索に日本の警察機構を利用できないのはデメリットとしか言えないでしょう。
もう一つの大きなデメリットが、防犯登録がないことで盗難車と見られてしまう点です。世の中のほとんどの自転車は自転車屋さんで防犯登録をしていますので、防犯登録がない自転車はレアです。そのため、「防犯登録をしていない = 盗んでシールを剥がした」と疑われてしまうわけです。
仮に警察官に職質をされたとしても、フレーム番号が記載された購入証明(注文時のメールなど)があれば問題ないでしょうが、防犯登録のシールがないだけで職質される可能性があるのはデメリットと言えます。
なぜロードバイクに防犯登録をしない?
ロードバイクはフレームのカラーやデザインが見た目に大きく影響するので、せっかくの見た目を崩したくないという理由で防犯登録をしない方が多いでしょう。
また、ネット通販やフリマなどの普及で、購入時に防犯登録をすることができないというもの、ロードバイクで防犯登録をしない人が増える原因の一つでしょう。
特にフリマの場合は、車体・フレームの譲渡時に譲渡証明書を発行する必要があり、譲渡証明書の作成を行わない売主がいるため、買主も自動的に防犯登録を行わなくなってしまいます。
防犯登録については、自転車保険加入の義務化と同様、義務化はされても罰則規定がないため、「登録しないとダメなの?しなくても良いの?」となってしまっていますが、メリット・デメリットを考えたら、一般的には登録しない選択肢はないでしょう。