ロードバイクはヘルメットなしでも大丈夫?知っておきたい未装着時のデメリット

最終更新日: 2023/11/01

公開日: 2022/02/02

ロードバイクに乗る人はほとんどがスポーツタイプのヘルメットを着用していますが、ヘルメットなしでも大丈夫なのでしょうか。法令の面、安全面、知っておきたいヘルメットなしのデメリットをまとめました。

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ロードバイクに乗る際のヘルメットの着用は「努力義務」へ

オートバイや原付の場合は、公道を走る際はヘルメットの着用義務(道路交通法第七十一条)があります。

一方で、ロードバイクを含めた自転車にはヘルメットの着用義務は2022年までなく、自転車に乗る際の装備の義務は、

  1. ベル(警報機)
  2. ライト(前照灯)
  3. リフレクター(後部反射板)

の3つでした。その意味で「ロードバイクに乗る際にヘルメットは着用しなくても良い」というのが通説でした。

しかし、道路交通法の一部改正によって2023年4月1日から全ての自転車利用者に対し、自転車の乗車用ヘルメットの「全着用努力義務」が課されることになります。

ヘルメット着用の「努力義務化」で何が変わる?

法律において努力義務とは「~するよう努めなければならない」「~努めるものとする」などと規定される内容のことを指します。つまり、実際の法律に「義務」とは書かれていないわけです。

努力義務規定 | 参議院

努力義務については、義務ではないので罰則などがありません。そのため、現状では2023年4月1日以降も、ヘルメットなしでロードバイクに乗ったとしも違反切符を切られるようなことはありません。

ただし、努力義務化された条項は、後々義務化することもあるため、今後の義務化に向けた準備段階の可能性もあります。

「努力義務」でもロードバイクではヘルメットを着用したいワケ

ロードバイクは車道を走るのがメインになるから

ロードバイクは自動車と一緒に公道で走ることが多い

ロードバイクを含めた自転車は、「車道の左端を走るのが原則」です。ママチャリや子供乗せ自転車など、「いつでも止まることが出来る速度で走る」場合は、歩道を走行することも可能ですが、ロードバイクはトレーニングを積んでいない初心者でも、時速20km以上を簡単に出せる自転車なので、必然的に車道を走ることになります。

車道を走るということは、それだけ自動車との接触事故が起きる可能性が高くなります。実際にロードバイクで車道を走ったことがある方は、「すれ違う自動車に殺されるかと思った」という経験をしたことがあるでしょう。

ロードバイクで車道を走るということは、それだけ事故と隣り合わせなのです。

自転車の重大事故の多くが頭部へのダメージが原因だから

ロードバイクで事故に遭うと頭部をぶつけることが多い

どんなに事故に注意していても、他の車両との関係性で成り立っている公道では、事故の確率を0にすることが出来ません。自分は安全運転でも、違反運転による事故に巻き込まれる可能性もあります。

事故に遭遇する確率が0でない以上、事故にあった時に身体を守る装備をしておかないと、命を落としたり、重大な障害を持ってしまう可能性があります。

警視庁によると、自転車乗用中の交通事故で亡くなられた方は、約6割が頭部に致命傷を追っており、ヘルメットなしの場合の致死率は約3倍にもなるそうです。

自転車乗用中の交通事故で亡くなられた方は、約6割が頭部に致命傷を負っています(図1参照)。  また、自転車乗用中の交通事故においてヘルメットを着用していなかった方の致死率(注)は、着用していた方に比べて令和2年中は約3.0倍高くなっています

頭部の保護が重要です ~自転車用ヘルメットと頭部保護帽~ | 警視庁

事故に合わないことが最善ですが、万が一事故にあった時に、致死率を1/3にしてくれるのなら、ロードバイクに乗る際にヘルメットを装備するのはメリットしかありません。

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道路で自動車から認識しやすくなるから

ロードバイクヘルメットに後部LEDライトをつける視認性がUP

ロードバイクで公道を走る際、一番危険なのは一緒に走る自動車との接触事故です。そして、接触事故を防ぐために重要なのは「自動車のドライバーから存在を認識してもらう」ことです。

自動車のドライバーも交通事故は起こしたくないですから、そこにロードバイクが走っているとわかれば積極的に避けて運転するのが通常です。

自転車ヘルメットを着用しないと、日本人の髪の色は黒が多く、風景に紛れてしまいます。特に夜の場合は顕著で、闇夜に隠れたロードバイクは、自動車ドライバーからすると「闇夜からロードバイクが突然現れたような感覚」になります。「お化けや忍者が出てくる感覚」なんて言う人もいるほどです。

一方で、自転車ヘルメットにはリフレクターが搭載されているものがほとんどで、市販のLEDライトをヘルメットの後頭部に取り付けることもできます。最新モデルにはLEDテールライト付きの製品もあります。

また、ホワイトやイエローのヘルメットは闇夜でも認識率が高くなります。

ヘルメットなしで自動車から認識されず、巻き込み事故に遭遇してしまうのは、ロードバイク乗りにとってはデメリットでしかないでしょう。

熱中症を防ぐことが出来るから

夏場となれば、炎天下の中で走ることになるのがロードバイク。

自転車ヘルメットは、帽子代わりにもなります。もちろん帽子を被っても良いですが、ロードバイクは高速巡航する乗り物なので、通常の帽子だと風で飛ばされてしまいます。

自転車ヘルメットは、オートバイヘルメットと違って、頭部の通気性を高めるためにベンチレーションホールが空いていますが、それでも何も被らないよりかは熱中症対策になります。

スポーティなデザインが嫌なら、カジュアルデザインのヘルメットを選ぼう

ロードバイクのヘルメットというと、ベンチレーションが効いたスポーティなデザインのものを連想しますが、実は自転車ヘルメットにはカジュアルな製品もたくさん存在します。

OGK (オージーケー) OGK KABUTO CANVAS-URBAN

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ヘルメットとキャップを組み合わせたようなデザインで、普段乗りに最適なヘルメット。スーツや私服にもマッチするデザインが嬉しい。
メーカー OGK
安全基準 JCF推奨
重量 290g

LAZER (レーザー) Chameleon ヘルメット

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スポーティなのにガチ感が少ないことで人気のLAZERのヘルメット。通気性もよく、普段乗りにも最適なデザインが○。オプションのLEDライトを後部に取り付けることで夜間の走行も安心。
メーカー LAZER
安全基準 CE
重量 270g

原付ヘルメットにあるようなハーフメットタイプや、一見するとただの帽子にしか見えないタイプなど、カジュアルな服装でも、女性も装着しやすいデザインを選ぶことが出来ます。

ロードバイクのヘルメットに関するよくある質問

Q.

ヘルメットを着用しないと罰金や罰則がある?

A.

道路交通法上の「自転車利用者のヘルメット着用」は「努力義務」で罰則規定がないため、ヘルメットを着用しないで自転車に乗ったとしても罰金や罰則などはありません(2023年11月現在)。

ただし、近年自転車に関する事故が増えてきているため、今後の法改正でオートバイなどと同じく着用義務化・罰則規定化がされる可能性はゼロではありません。

Q.

ロードレースやライドイベントにヘルメットなしでも参加できる?

A.
レースやイベントにもよりますが、ほとんどのレース・イベントもヘルメットの着用は参加条件になっています。レースについては、JCF(日本自転車競技連盟)が公認したヘルメットでないと参加できないことも多くなります。
Q.

ロードバイクで着用するヘルメットはSG規格などの安全規格がないとダメ?

A.

道路交通法上は、ヘルメットの安全規格に関する規定がないため、現状では安全規格がなくても問題ありません。

ロードレースに参加する場合は、レース側がJCF(日本自転車競技連盟)公認・推奨ヘルメット以外の着用を認めないことがほとんどです。

安全面で考えると、日本の安全規格であればSG規格、欧州の安全規格であれば「CE EN1078」、米国であれば「CPSC1203」に対応しているヘルメットを着用した方が、安全性は高くなります。

万が一の際に、安全規格が適用されないような見た目だけのヘルメットでは、頭部をしっかり守ってくれない可能性があるため、そうしたリスクを考えると何かしらの安全規格に適合したヘルメットを着用するのがベストです。

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