サイコンのデータソースはどれがいい?

公開日: 2021/08/09

センサーや位置情報衛星など、最近のサイコンではライドデータを取得するのに様々なデータソースを使います。今回は、サイコンで使うデータソースのメリット・デメリット、選び方をまとめました。

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サイコンで使われるデータソース

サイコンで表示に使われるデータソースは大きく分けて6つあります。

  1. 有線センサー
  2. 無線センサー
  3. 位置情報衛星(GPS・みちびきなど)
  4. 気圧センサー
  5. コンパスセンサー
  6. バッテリーデータ

センサー系は、自転車に取り付けて回転やパワーなどを取得する方法で、古くから使われているデータソースです。現在は無線センサーがメジャーになっています。

位置情報衛星はここ最近で増えてきた方法で、外部センサーがなくてもサイコン単体で速度などを取得できるため、スマートにサイコンを搭載できるというメリットがあります。

気圧センサーは、気温や高度を取得するのに使われます。サイコンで主に使われるのは高度で、高度と距離から勾配や獲得標高が算出されます。

コンパスセンサーは、主にナビ機能付きのサイコンで採用されるセンサーで、ナビ中にどちらを向いているのかを判定することで、ナビの表示をわかりやすくしてくれます。また、舗装道がない山道を走る際にはコンパスがあると便利です。

バッテリーデータは主に電動変速などに使われるもので、シマノならDi2、SRAMならREDなどの電動変速ユニットを搭載した自転車なら、コンポとサイコンが対応していれば電動パーツのバッテリー残量を確認できます。メーカーによっては、現在のギアを表示できるものもあります。

データソースはどっちがいい?

位置情報衛星 vs センサー

サイコンを使う目的の大きなものとして、速度・走行距離の取得があります。速度・走行距離は、サイコンでは位置情報衛星かセンサーで取得することになります。

二つの大きな違いは「正確性」と「取得できる情報量」、そして「コンパクトさ」です。

正確性で言えば、自転車から直接回転データを取得するセンサーに軍配が上がります。衛星のように電波が拾えないということもないため、確実性もセンサーの方が上です。また、シンプルな構造なため、製品ごとにデータの正確性のばらつきが少ないため、データソースとして安心して使えるのもメリットです。

ただし、センサーで取得できるのはあくまで「現在の数字」なので「どこをどうやって走ったか」という複雑な情報は取得できません。また、センサーの電池の管理や、有線センサーの場合はケーブルの取り回しなど、見た目や面倒さが損なわれるというデメリットがあります。

一方で、位置情報衛星の最大のメリットは「位置情報の取得」と「コンパクトさ」です。

GPSなどの位置情報衛星を使うサイコンは、現在位置の座標から「どれくらい移動したか?」で速度・距離を算出します。移動座標を常に取得しているため、移動ログも取れるというわけです。センサーが不要なので、自転車をスッキリさせることもできます。

位置情報衛星の弱点は受信感度と精度。位置情報衛星の電波感度と精度は、

  1. 対応衛星
  2. サイコンのアンテナの感度

で大きく変わります。

例えば、日本で使う場合は、アメリカの「GPS(全地球測位システム)」だけでなく、日本上空を飛ぶ「みちびき(準天頂衛星システム)」や、中国の「北斗(北斗衛星導航系統)」を使えるかで大きく感度や精度に違いが出てきます。

多くの衛星に対応していても、サイコンが採用している衛星アンテナが貧弱なものだと、精度が下がってしまいます。

一言に「GPSサイコン」と言っても、データの正確性という意味では製品ごとに大きな違いがあるのです。

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有線センサー vs 無線センサー

センサーをデータソースとして使う場合の悩みどころは「無線か?有線か?」でしょう。

有線式は「全体に途切れない」という安心感がありますが、専用センサーになってしまうのと、ケーブルの配線が必要でサイコンの取り付け位置の自由度が下がります。

一方で、無線センサーの場合は、BluetoothやANT+のセンサーであれば、サイコンのメーカーが変わっても使い回しができますし、スマホでも使うことができます。

ただし、バッテリーライトなどと電波干渉するセンサーがあったり(BluetoothやANT+は少ない)、BluetoothやANT+でも機器ごとの相性があったり、製品によってはデータの正確性が落ちるケースがあったりと、デメリットもあります。

現在のサイコンの流れは、「Bluetooth、ANT+両方対応の無線センサー」が主流ですが、欲しいデータが速度と距離くらいなら、昔ながらの有線センサー式が確実だったりもします。

サイコンのデータソースは欲しいデータと必要な精度で選ぼう

サイコンのデータソースはあればあるほど良いのは間違いありませんが、対応するデータソースが多いほど、高機能になってお値段も高くなります。

「速度・距離だけわかれば良い」のに、センサー満載のサイコンを買っても機能を使いこなせませんし、「パワーや心拍数が欲しい」のにBluetoothやANT+に対応していないサイコンを買ったら意味がありません。

どういうデータが欲しいのか、どれくらいの精度でデータが欲しいのかを決めれば、どのデータソースを採用するサイコンを選ぶかがわかってきます。

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