ロードバイクフレームのアルミ素材の違い

最終更新日: 2023/03/07

公開日: 2020/10/23

ロードバイクフレームのアルミ素材の違いをまとめました。現在はエントリーグレードのフレームで採用されることが多いアルミ素材ですが、同じアルミでも素材によって違いがあります。

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アルミ合金の種類

アルミ合金には、アルミニウムと他の素材の組み合わせ次第で番号が決まっています。

番号 種類 メリット デメリット 使用例
1000番 純アルミニウム 加工しやすい 強度が低い 1円硬貨など
2000番 アルミニウム+銅 鉄鋼に近い強度 溶接が難しい 航空機用部材など
3000番 アルミニウム+マンガン 加工しやすい 強度が低い 航空機用部材など
4000番 アルミニウム+ケイ素 溶接しやすい 強度が低い ピストンなど
5000番 アルミニウム+マグネシウム 強度と耐食性が高い - 燃料タンクなど
6000番 アルミニウム+マグネシウム+ケイ素 強度、経年損傷に強い 溶接に弱い 構造部材など
7000番 アルミニウム+亜鉛+マグネシウム 軽量、アルミ合金で最高強度 溶接が難しい 航空機、スポーツ用品など

1000番は純アルミなので合金ではないですが、アルミ合金といってもこれだけの種類があるのです。

ロードバイクのフレームに使われるアルミ合金

ロードバイクのフレームやフォークに利用されるのは、主に6000番と7000番です。

上位モデルのフレームに使われた7000番台

7000番台のアルミ合金は、アルミ合金で最高強度でありながら軽量化が可能で、かつてはロードバイクの上位モデルでは7000番台のアルミ合金が使われていました。7000番台のアルミは剛性が高いため、乗り心地が硬くなりやすいという性質があります。

ただ、溶接・加工が難しいためどうしても高価になってしまい、カーボンフレームが普及するに従って次第に上位モデルはカーボンフレームが主流になりました。

現在では、アルミはエントリーモデルのロードバイクか、CANNONDALEのCAADシリーズのように「カーボンキラー」と呼ばれるほどの軽量化でに特化したモデルになるため、6000番台が使われることが主流となっています。

エントリークラスの定番フレーム素材・6000番台

現在のモデルではエントリークラスのロードバイクのフレームに使われるのが6000番台。最近でいう「アルミフレーム」というのは、多くがこの6000番台となっています。

6000番台にも違いがあり、ロードバイクで採用されるものでみると、

  • 6011A
  • 6011
  • 6061
  • 6066
  • 6069

があります。

エントリーグレードで多いのが6061番で、エントリーグレードより少しミドルグレード寄りのモデルでは6011番か6066番が多くなります。6011番のフレームが多いのは強度を保ちつつ軽量化ができるためとも言われます。

一方で、最近では溶接技術の向上やパーツの軽量化などで6061番アルミフレームでも軽量モデルが多く登場しています。

例えばNESTOのALTERNA DISCはディスクブレーキモデルでありながら、6061番のアルミフレームにカーボンフォークと組みわせることで総重量が9.0kgとかなり軽量なロードバイクとなっています。

6066番と6069番は、より強度が高く硬いため加工が難しく、上位モデルに採用されることが多くなります。

カーボンキラー「CAAD」が採用するのはアルミの6069番

アルミロードバイクでありながら、カーボンロードバイクに匹敵する軽量化を実現していることで人気のCANNONDALEのCAADシリーズ。CAADシリーズで採用されているのは、加工に時間とコストを必要とする6069番のアルミ合金。

CANNONDALEのCAADは軽量だけでなく、乗り心地に影響する「しなやかさ」や、頑丈さに影響する「強度」に関しても徹底的にこだわっています。

最近では「アルミのハイグレード・ロードバイク = CAADシリーズ」と言っても過言ではないくらい、アルミロードバイクのハイエンドモデルとして定着しています。


ロードバイクフレームのアルミ素材の違いについてみてきました。

総重量が7kg台にもなるハイグレードのカーボンモデルと比べたら重い部類に入るアルミロードバイクですが、最近では10kgを切るのは当たり前に、CANNONDALEのCAADシリーズのようにカーボンに匹敵するバイクも定番化しており、「アルミ = 重い」という方程式も変わりつつあります。

アルミ以外のロードバイクフレーム用の素材の種類や違いについては下記の記事をどうぞ。

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