シマノのTIAGRAコンポを選ぶ際は互換性に注意しよう

最終更新日: 2022/06/07

公開日: 2021/01/04

シマノのロードバイク向けエントリーグレードの上位版であるTIAGRAコンポ。現行上位グレードの11速ではなく、一つ下の10速グレードとしては選びやすいTIAGRAですが、互換性を考えた際にはコンポ選ぶを慎重にする必要があります。

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シマノのTIAGRAコンポの歴史を確認しよう

互換性をみていく前に、まずはシマノのTIAGRAコンポの歴史を確認してみましょう。

シマノがTIAGRAをリリースしたのは1999年で、この時は9速の4400系でした。その後、2007年に登場した4500系は9速のままのマイナーアップグレードで、10速化したのは意外と最近の2011年の4600系からでした。

2011年当時のシマノのロード向けコンポは、最上位のDURA-ACEですらまだ10速の時代で(翌年11速の9000系が発売)、その下のグレードであるULTEGRAは10速の6700系(2013年の6800系で11速化)、105・5700系も10速でした(2014年の5800系で11速化)。

TIAGRAの現行モデルである4700系がリリースされたのは2015年で、前年に105が11速化していましたが、TIAGRAは10速維持となりました。

TIAGRA 4700系は6700系や5700系とは違う新しい10速コンポになっており、シマノの公式的にも4700系と4600系は互換性がないとされています。

型番 リリース年 段数
4400系 1999年 9速
4500系 2007年 9速
4600系 2011年 10速
4700系 2015年 10速

TIAGRAコンポの互換性

TIAGRAコンポの互換性を見るときに注意したいのは、「現行10速と旧10速」と「4600系と4700系」のくみわせで、ここはシマノの公式で互換性がないとされています。

特殊なのは4700系

シマノの互換性リストを見るとわかりますが、TIAGRAの4600系は同じ10速系の旧ULTEGRA・6700系、旧105・5700系と公式に互換性があります。

TIAGRA・4600系のリア互換表

ただし、フロントディレイラーだけは4600系が独立しています。

TIAGRA・4600系のフロント互換表

一方で、4700系はかなり特殊で、同じ10速のTIAGRA・4600系と互換性がないだけでなく、旧ULTEGRA・6700系、旧105・5700系とも互換性がなく、「実質4700系でしか使えないコンポ」になっています。

独立しているTIAGRA・4700系のリア互換

これは、スプロケット以外の全てのドライブトレインパーツで言えることで、4700系は全て4700系のパーツで揃える必要があります。

その意味では、TIAGRAコンポを使う際に注意が必要なのは、4700系のパーツと言っても良いでしょう。

スプロケット、BB、ブレーキは10速で共用

ほとんど互換性がない4700系ですが、スプロケットについては、TIAGRA・4700系のスプロケットというのは存在せず、CS-4600、CS-5700、CS-6700が、TIAGRA・4600系とTIAGRA・4700系の両方で使えるようになっています。

CS-4600は市場在庫もない状態ですが、CS-5700、CS-6700については、現在も販売継続されています。

なお、10速のスプロケットについては、現在も10速シリーズが現役であるGRXやDEOREなどと共用のCS-HG500-10がロード向けの標準スプロケットと言えます。

ブレーキについても、4600系以降はNEW SUPER SLR互換なので、NEW SUPER SLRブレーキ全てと互換性があり、互換の幅はかなり広くなります。

BBについては、4600系を共用しているため、4600系・4700系だけでなく、5700系・6700系とも互換性があります。

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なぜ4700系は特殊なのか?

これについては、シマノの10速の歴史を見ると理解が出来ます。

現行のシマノの互換表に表記される10速グレードでみて行くと、10速コンポは、

  • ULTEGRA 6700系
  • 105 5700系
  • TIAGRA 4700系
  • TIAGRA 4600系

の4種類です。

それぞれのリリース年度を時系列にすると下記のようになります。

型番 リリース年 段数
6600系 2004年 10速
5600系 2005年 10速
6700系 2009年 10速
5700系 2010年 10速
4600系 2011年 10速
6800系 2013年 11速
5800系 2014年 11速
4700系 2015年 10速

上位グレードであるULTEGRAと105は、初登場の2004年から11速が登場する2013年までが10速の時代でしたが、TIAGRAについては10速化されたのが2011年。TIAGRA・4600系はシマノのコンポとしては「10速時代の後期」に出たコンポなので、5700系・6700系と互換性が維持されたのでしょう。

一方で、TIAGRA・4700系は、ULTEGRAと105が11速化された1・2年後に出たコンポであり、上位グレードの10速コンポの最新版である5700系の発売から5年も経っているため、「11速時代に出た10速コンポ」と言えます。

5年の間でシマノが改善した10速コンポが4700系と考えれば、5年前のグレードである6700系・5700系との互換性を切り離したのも当然と言えば当然です。

10速での105・5700系が根強い人気に

このように見ていくと、互換性が高く手頃な値段の105・5700系が中古市場で根強い人気なのも、うなづけます。

例えば、STIレバーで見てみると、現行機種でありリリースが2015年のTIAGRAのSTIレバー・ST-4700と、10年以上前のモデルである105・5700のSTIレバー・ST-5700はほとんど同じ値段で販売されています。

上位グレードとは言え、シマノのコンポは「世代 > グレード」と言われているくらいですから、本来なら4700系の方が値段が高くなってもおかしくないですが、互換性という使い勝手を考えたら、仕方がないとも言えます。

シマノのTIAGRAコンポに関するよくある質問

Q.

シマノのTIAGRAコンポは、MTBの10速と互換性がある?

A.
シマノのTIAGRAコンポとMTBの10速で互換性があるのは、チェーンとスプロケットです。それ以外については公式には互換性がありません。
Q.

TIAGRA・4700系と4600系は全くMIXできない?

A.

TIAGRA・4700系と4600系では、スプロケット、ブレーキについては互換性があるためMIXして使うことができます。

変速に関わるパーツである、STIレバー、フロントディレイラー、リアディレイラーをMIXしなければ良いと覚えておけば良いでしょう。

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