ロードバイク用後方センサー(リアビューレーダー)のメリット・デメリットと主な製品まとめ

最終更新日: 2024/05/07

公開日: 2023/04/12

サイクリング時の安全性を高めてくれる、重要なアクセサリであるロードバイク用後方センサー(リアビューレーダー)。そのメリット・デメリットと、主な製品のスペック比較をまとめました。

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ロードバイク用後方センサーとは?

ロードバイクの後方センサーとは、自転車の後部に取り付けられる「接近感知センサー」のことです。

主な役割は、後方から追い越してくる車両の接近を検知し、ライダーに知らせること。これにより、ライド時の安全性を高め、交通事故防止に貢献することが期待されています。

自動車では、リアカメラやコーナーセンサーなど、接近を認識するための機能が標準搭載されることが増えていますが、自転車ではまだまだ普及していませんが、近年徐々に認知度が上がってきているアクセサリです。

ロードバイク用後方センサーを使うメリット

後方センサーの利点は、「適切に危険を察知できる」ということです。

自動車やバイクと違って、ロードバイクではサイドミラーを取り付けることはあまりなく、後方確認は後ろを振り返って行うことになります。そうすると、今度は前方不注意になりがちなので、ロードバイクでは車線変更や左折の時に後方確認するのが通常です。

そうなると、後方確認をしていない時に接近する車両に対して無防備になってしまうわけですが、後方センサーを導入することで、手元のサイコンで接近を確認できるので、常に後方をチェックできる状態になります。

また、後方センサーは、夜間や悪天候時でも効果的に機能するため、視界が悪い状況下でも安全に後方確認が出来るというメリットもあります。

ロードバイク用後方センサーのデメリット

ロードバイクでのライドを安全にしてくれる後方センサーですが、「完全に信頼できるわけではない」というのは最大のデメリットでしょう。

後方から接近してくる車両が高速である場合や、周囲に車両が多い場合には、センサーの反応に遅れが生じることがあります。そのため、後方センサーを利用したとしても、後方確認が不要になるわけではなく、あくまでサポートをするという形になります。

また、後方センサーは単体では意味がなく、あくまでサイコンやスマホなどと組み合わせて使う必要があります。後方センサーだけでも1万円以上する上に、後方センサーに対応するサイコンまで用意すると数万円の投資になります。

「完璧に動作するわけではない高額な自転車アクセサリ」に投資をするべきかどうかは個人の判断次第となります。

ロードバイク用後方センサーを選ぶ際のポイント

検知範囲と精度が重要

後方センサーの性能は「検知範囲」と「検知精度」で決まります。当然ですが、広い範囲で高精度な後方センサーほど、高性能になります。

逆に、検知範囲が狭かったり精度が低いと、「センサーが検知した時にはすでに接近していた」ということもあり、事故や危険な状況を避けることができません。これでは後方センサーを導入する意味がなくなってしまういます。

後方レーダーの検知範囲は、「感知距離」と「レーダーの縦・横の範囲角」で決まります。感知距離は長い方が良いですし、範囲角は広い方がカーブなどの直線でないところでの感知精度が高まります。

対応デバイスと警告方法もチェックしよう

後方センサーはシートポストに取り付けるのが基本となるため、単体では警告せず、サイコンなどの連携したディスプレイで警告を表示します。連携するデバイスによって、振動、ライト点滅、音声アラートなどの警告方法がありますが、警告がわからないのでは意味がありません。

サイコンでは、画面の縦に検知シグナルを表示するか、LEDを搭載したサイコンではLEDで通知をする場合もありますが、どちらが見やすいかは自分のスタイルに合わせて決めましょう。

また、自分が使っているサイコンやスマートフォンが後方センサーとペアリングが出来るかもしっかりチェックしましょう。基本的にはANT+かBluttoothで接続することになりますが、製品によってはどちらかでしか接続できない場合もありますし、サイコンが後方センサーに対応していないこともあります。

バッテリー寿命も大事

後方センサーはバッテリーで動作するため「どれくらい長く使えるか」も非常に重要です。特に、長時間のロングライドを行う場合には、ライド途中にバッテリー切れになるとストレスになるので、なるべくバッテリー寿命が長いモデルを選びましょう。

ロングライドでも使うとなると、10時間以上使用できる後方センサーを選ぶべきです。

主なロードバイク用後方センサー

製品 価格 感知距離 範囲角 バッテリー時間
Garmin Varia リアビューレーダー RTL515 ¥29,700 140m 非公開 最大16時間
Garmin Varia リアビューレーダー RVR315 ¥22,000 140m 非公開 最大7時間
Garmin Varia リアビューレーダー RTL510 ¥26,180 140m 非公開 最大15時間
Bryton GARDIA R300L ¥18,480 190m 非公開 最大17時間
Magene レーダー リアライト L508 ¥19,800 140m 最大40° 最大16時間
iGPSPORT SRTL SR30 スマートレーダーテールライト ¥16,830 150m 最大40° 最大20時間
CarBack Radar リアバイクライト ¥25,900 240m 非公開 最大7時間

Garmin Varia リアビューレーダー

ロードバイク用の後方センサーの定番がGarminのVaria。現在は第3世代のRTL515と廉価版のRVR315が販売されています。第2世代のRTL510はメーカー終売となっていて、市場在庫のみとなります。

Garmin Variaの最大の魅力は長年業務用・民間用センサーを製造しているGarminが手がけている精度の高さと安心感と、サイコンとの親和性。

GarminのサイコンEdgeシリーズだけでなく、後方センサーに対応しているサイコンはほとんどがGarmin Variaに対応しているため、サイコンを選ばないというメリットもあります。

RTL515とRVR315の違いは、テールライトの有無と稼働時間。その分が価格に反映されている形でしょう。ただ、稼働時間については、RVR315は7時間と少ないため、1日中走るロングライドをする場合は、RTL515一択と言えます。

Bryton GARDIA R300L

サイコンでも王者Garminとコスパで争うBrytonが2023年にリリースした後方センサーがGARDIA R300L。

ライバルであるGarminのVaria・RTL510よりも8,000円ほど安く、2万円未満で購入できるというのが最大のメリット。また、感知距離が最大で190m、バッテリー持続時間は最大17時間と性能面でもGarminのVaria・RTL510よりも高くなっています。

新規で参入してきた製品ではありますが、サイコンでも一定の評価があるBrytonの後方センサーということで安心感もあります。

Magene レーダー リアライト L508

格安なパワーメーターやサイコン、スマートトレーナーなどを手がける中国メーカー「Magene(マージーン)」の後方センサー。日本では、ブレーキやローラー台で人気のGrowtacが代理店を務めています。

中国メーカーらしい手頃な価格が魅力で、2万円未満で高性能な後方センサーが手に入ります。海外通販などでは15,000円台で販売されているケースもあり、とにかく安く手に入れたいならファーストチョイスでしょう。

iGPSPORT SRTL SR30 スマートレーダーテールライト

サイクルコンピューターのメーカーとしても人気の中国メーカー・IGPSPORTが手がける後方センサー。競合メーカーとほぼ同等スペックで価格を16,830円と非常に抑えている点がメリット。

対応するサイクルコンピューターが同社のiGS630とBSC300に対応となっています。

TREK CarBack Radar リアバイクライト

TREKの純正リアビューレーダー。TREKの純正ですが、ANT+とBluetoothでデータを送信するため、他社のリアビューレーダーと同じようにTREK以外のサイコンなどでも使うことができます。

他社製品と大きく違うのが、検知距離が240mと非常に長いこと。他社製品では140〜190mほどが最大検知距離なので、100mほど検知距離が長くなっています。

ライトと一体型で、価格は2.5万ほどで抑えられているのも大きなメリット。唯一の欠点は、バッテリーは最大7時間動作とやや弱いのところでしょうか。

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