WheelTopの電動コンポーネント「EDS」の特徴、スペックまとめ
中国メーカーWheelTopが新しくリリースした格安電動コンポーネント「EDS」についてスペックや特徴をまとめました。
公開日: 2020/10/01
ロードバイクのチェーンが”たすき掛け”になってしまうギアと、チェーンのたすき掛けを避けるギアの組み合わせまとめました。シフトチェンジをする時の注意ポイントや練習の仕方なども。
この記事の目次
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シマノなどの大手コンポメーカーは、チェーンがたすき掛けになる組み合わせでの使用を非推奨としています。理由としては、チェーンに横方向の力がかかることで、チェーンやスプロケットの余計な消耗につながるためです。
チェーンやスプロケットは、ロードバイクのコンポの中では価格が高くない方のパーツですが、それでも消耗品である以上、長く使えるに越したことはありません。
チェーンがたすき掛けになると、当然ですがチェーンラインは斜めになります。チェーンラインが斜めになるとパワーが外に逃げてしまいます。
わかりやすくするために「綱引き」をイメージしましょう。ロードバイクのチェーンが綱で、フロントが自分、リアが対戦相手です。
綱引きは一直線になっている時が一番力が伝わります。お互いが一直線の時は力が均衡しますから、腰を落とすなど、より力を入れて相手よりも強い引っ張れれば勝つことができます。一方で、綱引きでは少しでも横にづれると縦方向の力が弱くなって相手に一気に引っ張られてしまいます。
チェーンがたすき掛けはまさにこの状態で、直線方向への力が外に逃げてしまうためパワーロスになってしまうのです。
ロードバイクの場合、フロントのチェーンリングが2枚、リアスプロケットが8〜11枚というパターンが多いですが、チェーンのたすき掛けが発生するのは、フロントのチェーンリングに対してリアスプロケットのデッドゾーンに入った時です。
リアスプロケットの中央(真ん中のギア)と前後1枚(リア枚数によって2枚)がメインゾーンです。
というのも、ロードバイクのフロントギアとリアギアは、概ね中央で結んだラインにセンタリングして組み込まれているからです。
例えば、シマノのSORA 9sであれば、9速なのでリアスプロケットの中央は5速、メインゾーン4〜6速になります。
また、メインゾーンの中央以外の2つのギア(9速なら4速と6速)がフロントをシフトチェンジするキューにもなります。キューとは、リアがこの段目に来たらフロントを変速する必要がありそうだという目印です。
リア・スプロケットのデッドゾーンは「メインゾーン以外」なので簡単に割り出せます。
シマノのロードバイク用コンポーネント「SORA 9s」であればは4〜6速がメインゾーンなので、1速、2速、3速、7速、8速、9速がデッドゾーン候補です。
ただし、これら6枚が全部デッドゾーンではなく、インナー寄りの1速、2速、3速はフロントがインナーの時にはデッドゾーンではありません。
一方で、アウター寄りの7速、8速、9速はフロントがアウターの時はデッドゾーンではありません。
表にすると下記のようになります。
リアギア | フロント・アウター | フロント・インナー |
---|---|---|
1速(30) | x | ○ |
2速(26) | x | ○ |
3速(23) | x | ○ |
4速(20) | ○ | ○ |
5速(18) | ○ | ○ |
6速(16) | ○ | ○ |
7速(14) | ○ | x |
8速(12) | ○ | x |
9速(11) | ○ | x |
SORAの例では
がチェーンのたすき掛けが起こらない組み合わせになります。
逆にいうと、SORA 9sの場合は、「フロントアウター x 1〜3速」と「フロントインナー x 7〜9速」がチェーンのたすき掛けが起こる組み合わせとなります。
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まずは、自分のロードバイクの速度がどの組み合わせでどれくらい出るのかを確認しましょう。
シマノのSORAを例に25cのタイヤをはいたロードバイクで、ケイデンス80rpm平均で走行するとして速度を出します。
ギアの組み合わせと速度は下記のようになります。
フロント | リア | ギア比 | ケイデンス | 速度 |
---|---|---|---|---|
アウター | 1速 | 1.67 | 80 | 16.8km/h |
アウター | 2速 | 1.92 | 80 | 19.4km/h |
アウター | 3速 | 2.17 | 80 | 21.9km/h |
アウター | 4速 | 2.50 | 80 | 25.2km/h |
アウター | 5速 | 2.78 | 80 | 28.0km/h |
アウター | 6速 | 3.13 | 80 | 31.5km/h |
アウター | 7速 | 3.57 | 80 | 36.0km/h |
アウター | 8速 | 4.17 | 80 | 42.0km/h |
アウター | 9速 | 4.55 | 80 | 45.8km/h |
インナー | 1速 | 1.13 | 80 | 11.4km/h |
インナー | 2速 | 1.31 | 80 | 13.2km/h |
インナー | 3速 | 1.48 | 80 | 14.9km/h |
インナー | 4速 | 1.70 | 80 | 17.1km/h |
インナー | 5速 | 1.89 | 80 | 19.0km/h |
インナー | 6速 | 2.13 | 80 | 21.4km/h |
インナー | 7速 | 2.43 | 80 | 24.5km/h |
インナー | 8速 | 2.83 | 80 | 28.6km/h |
インナー | 9速 | 3.09 | 80 | 31.2km/h |
続いてこのロードバイクのメインゾーンの速度をピックアップしましょう。
フロント | リア | ギア比 | ケイデンス | 速度 |
---|---|---|---|---|
アウター | 4速 | 2.50 | 80 | 25.2km/h |
アウター | 5速 | 2.78 | 80 | 28.0km/h |
アウター | 6速 | 3.13 | 80 | 31.5km/h |
インナー | 4速 | 1.70 | 80 | 17.1km/h |
インナー | 5速 | 1.89 | 80 | 19.0km/h |
インナー | 6速 | 2.13 | 80 | 21.4km/h |
シティサイクル(いわゆるママチャリ)のギア比が2.285なので、インナーギアならメインゾーンだけでもシティサイクルよりも軽く走り出せます。
高速域で見ると、メインゾーンだけでも最高で時速32kmほど出ます。レースでもない限り十分な速度ですので、普段乗りならメインゾーンで走ることだけを意識すれば、必然的にチェーンのたすき掛けを回避できます。
メインゾーンの速度が出たら、実際にロードバイクでシフトチェンジをするシミュレーションをしてみましょう。速度は、平地を走行する前提です。
フロント | リア | ギア比 | ケイデンス | 速度 |
---|---|---|---|---|
インナー | 4速 | 1.70 | 80 | 17.1km/h |
インナー | 5速 | 1.89 | 80 | 19.0km/h |
インナー | 6速 | 2.13 | 80 | 21.4km/h |
アウター | 4速 | 2.50 | 80 | 25.2km/h |
アウター | 5速 | 2.78 | 80 | 28.0km/h |
アウター | 6速 | 3.13 | 80 | 31.5km/h |
走り出しは「インナー・リア4速」でスタートします。そこからリアを5速、6速とシフトアップして6速まで行きます。
22km/h以上の速度が出ると空転してくるので、その前にリアを2枚シフトダウンして4速に落としてから、フロントをアウターにシフトアップします。逆にすると、チェーンが落ちやすくなるので注意してください。
ここからの組み合わせ(リアが4〜9速)は、アウターにとっては全て使えるギア組み合わせなので、速度に合わせてシフトアップ・ダウンをすればOKです。
難しいところが、「インナー・6速」から「アウター・4速」の切り替えで、慣れないと若干減速してしまう上に、スムーズにシフトチェンジ出来たとしても、ギア比がこれまでは約0.2ずつで上がってきたところにいきなり0.4上がるので、少し重く感じるはずです。
スピードに乗っていればちょっと力を入れればすぐにペースを戻せますが、思ったよりも減速してしまったら一時的に「アウター・3速」に落としてペースを戻しましょう。
「アウター・3速」でも重いと感じるなら、一旦フロントをインナーに落とした方が良いでしょう。
ここまで出したらお分かりかと思いますが、ロードバイクでチェーンのたすき掛け発生するのはフロントギアが起点になります。逆にいうと、チェーンのたすき掛けにならならいギリギリのリアギア(キュー)を覚えておけばOKということです。
先ほど見た通り、SORA 9sの場合は4速と6速がキューなので、ここにきたらフロントをシフトチェンジすると覚えておきましょう。
覚え方としては、
と覚えると簡単です。
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フロントの変速を頻繁にするようになると、遭遇するのがチェーン落ちです。
チェーン落ちの原因は、
のどちらかがほとんどです。特に最初の頃に多いのが「シフトチェンジ時に踏み込む」で、慣れないうちはシフトチェンジ中に焦ってしまってペダルを踏み込んでしまいがちです。
フロントのシフトチェンジは段差が大きいので、ペダルを踏み込むとトルクがかかりすぎてチェーンが落ちることがあるので注意しましょう。
操作に問題でないのであれば、整備の問題の可能性があるので、下記の記事を参考に対応してみましょう。
チェーンのたすき掛けの起こらないシフトチェンジを理解した上で大事なのは、実際に様々なシーンでシフトチェンジをしてみることです。
理論ではわかっていても、実際に公道に出て走ると途端にパニックになったりもしますし、道路交通状況によっては、こちらの想定通りにシフトチェンジが出来ないことがあります。
こればっかりは練習するしかないので、車通りの少ないところで練習して体で覚えましょう。
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