安定した走りと見た目の良さから、最近ではMTBが街乗り自転車として選ばれることも増えてきています。今回は、「街乗り自転車」という視点でMTBを選ぶ際のポイントをまとめました。
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大きい?小さい?ロードバイクのグレードと性能差
公開日: 2020/10/05
ロードバイクのグレードと性能差は大きいのか、小さいのかを具体的な数字を例に検証してみました。
この記事の目次
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グレードの差は確かにある
ロードバイクのグレードと言ったらどんなグレードを思い浮かべるでしょうか?
初心からしたら、10万円でも大きな買い物ですが、中級者以上の方からすると10万円のロードバイクは入門モデルでせめて20万円以上、できれば30万円くらいのロードバイクが欲しいと思う方もいるでしょう。一方、レースに出るプロ向けのロードバイクは100万円以上するモデルもあります。
これらのモデルに差があるのか言われれば、当然差はあります。
しかし、初心者が100万円のロードバイクに乗ったから中級者以上の走りが出来るのかというとそうではありません。同じように、30万円のロードバイクを買った中級者が、初心者向けエントリーモデルに乗ったプロと勝負して勝てるのかというと、そんなことはほとんどないでしょう。
ロードバイクは人間を動力とする乗り物ですから、いかに高いグレードのロードバイクに乗っても、動力の差を乗り越えるほどのものではありません。
人によって性能差の感じ方が異なる
ロードバイクの性能は、一般的に「長距離を速く走る性能」と言われています。つまり、「距離」と「時間」の軸があります。
しかし、この2つのポイントは、初心者、中級者、上級者で指標が異なります。
距離・時間の指標の違い
初級者からすると、20〜30kmくらいを速く走れるのが最初のポイントですが、中級者・上級者は100km以上を走るのが普通です。単純に3倍くらい、指標とする数値に差があります。
時間という観点で見ると、初級者は安定して出せる速度が25km/hくらいとも言われますが、中級者以上となると、30〜35km/hくらいで安定走行します。つまり、速度も1.5倍ほど違います。
この二つの観点から見ても、初級者と中級者では数字の尺度が5倍ほど違います。つまり、グレードアップで受ける恩恵も、5倍ほど感じ方が異なるのです。
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数字でわかる、走る人によって異なる効果
簡単に数字にして見てみましょう。
初級者Aさんと、中級者Bさんが、それぞれ10万円の初級者ロードバイクと中級者向け30万円のロードバイクでタイムを測るとします。二人とも10万円の初級者ロードバイクから30万円のロードバイクに乗り換えることで1kmあたりのタイムが3秒縮まったとします。
この時、初級者Aさんと中級者Bさんの目標到達時間の短縮幅は下記の通りです。
距離 | 初級者Aさん・短縮時間 | 中級者Bさん・短縮時間 |
---|---|---|
1km | 3秒 | 3秒 |
10km | 30秒 | 30秒 |
20km | 60秒 | 60秒 |
30km | - | 90秒 |
40km | - | 120秒 |
50km | - | 150秒 |
60km | - | 180秒 |
70km | - | 210秒 |
80km | - | 240秒 |
90km | - | 270秒 |
100km | - | 300秒 |
初級者Aさんからすると、20km走ってたった1分タイムが縮まっただけなので「高いお金を払って上のグレードのロードバイクを買ったのに、あまり差がない」と感じるでしょう。
しかし、100km走る中級者Bさんからすると、5分ものタイム差が生じます。中級者は平均速度30km/hほど出せるとも言われているので、もし誰かと競争をしていたとしたら、250mの差がつきます。レースで考えたら結構な差です。中級者からすると、1kmあたり3秒の短縮が、非常に大きな差を生むのです。
ロードバイクは徐々にグレードアップするのが一番近道
このように、ロードバイクは搭乗者の走力に左右されますので、自分の走力に合わせて徐々にアップグレードしていくのがベストな方法と言えます。
また、「レースで10位以内に入ったら、次のロードバイクに乗り換える」や「走行距離が合計5,000kmになったらワンランク上のロードバイクを買おう」などの目標とセットにグレードアップを検討すると、やりがいも出て良いかもしれません。
どちらにしても、ロードバイクは、自動車のように「高いスポーツカーを買ったら時速180kmが素人でも簡単に出せる」というような世界ではありません。どんなすごいロードバイクに乗っていても、搭乗者の走力がそれを活かせなければ意味がないのです。