安定した走りと見た目の良さから、最近ではMTBが街乗り自転車として選ばれることも増えてきています。今回は、「街乗り自転車」という視点でMTBを選ぶ際のポイントをまとめました。
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ロードバイクをフレームからバラ完で組む時の選び方と注意点
最終更新日: 2022/04/19
公開日: 2021/07/19
コスパが高く、自分好みのロードバイクを組めることから密かに人気の「バラ完」。今回は、バラ完で組む時のフレームの選び方、選ぶ際の注意点をまとめました。
この記事の目次
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バラ完で苦労しないフレームの選び方
サイズはしっかりと調べよう
バラ完をする時は、フレーム単体で探すことがほとんどです。フレームを選んでいるとわかりますが、フレームだけで見ると、どれくらいのサイズなのかが非常にわかりづらくなっています。
サイズが合わない自転車は乗りづらいだけでなく、不慮の事故につながることもあるので、きちんと身体に合ったフレームを選ぶようにしましょう。
元々が完成車の場合は完成車の名前で探すと、ジオメトリが公式サイトに残っていることが多いので、購入前にしっかりとチェックしましょう。
目的にあったフレームを選ぼう
スポーツ自転車のフレームには、大きくわけて、
- ロード向け
- MTB向け
- シクロクロス向け
などがあります。
それぞれフレームのエンド幅やブレーキの取り付けが異なるので、目的にあったフレームを選ばないとパーツ選びで苦労します。
また、元がクロスバイクのフレームの場合、ロード寄りのフレームとMTBよりのフレームがあるので注意しましょう。MTB寄りのフレームの場合は、ブレーキがVブレーキ台座になっていることが多いので、ブレーキ台座の種類もしっかりとチェックしましょう。
共通規格の多いフレームを選ぼう
ロードバイク向けのフレームは、上位モデルになるほど、独自の規格を採用していることが多くなります。独自規格が多いフレームだと、グロメットやシートポストクランプなどのスモールパーツが入手できなかったり、できたとしてもパーツだけでかなり高額になってしまったりします。
独自規格が多いのは、
- シートポストの形状
- シートポストクランプの形状
- ワイヤーのルーティング
- ヘッドチューブの形状
- ディレイラーの取り付け(ハンガー)
あたりで、特にシートポスト周り、ディレイラー周りの形状が特殊だと、スモールパーツが入手できないとその時点で詰んでしまいます。
その意味では、これらのパーツが共通規格になっているうフレームを選ぶ方が、パーツの代用が効くので安心です。
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フレームを選ぶ際に注意したいポイント
フレーム・フォークのエンド幅と取り付け方式
ロードバイクでは、リムブレーキ車がフロントが100mm、リアが130mmのクイックリリース式、ディスクブレーキ車がフロントが100mm、リアが142mmのスルーアクスル式が標準です。ここが違うと、持っていいるホイールが使えなかったり、ブレーキシステムが適応しなかったりします。
特に注意したいのが2018年よりも前に発売された「旧モデルのディスクブレーキ・ロードバイク」で、この頃のディスクブレーキ・ロードバイクは、「クイックリリース式のリアが135mm」というMTBのエントリーモデルに多いエンド幅を採用しています。
クイックリリース式のリア135mmのディスクブレーキ・ホイールは、2022年現在では新品・中古も含めて流通が多くないため、バラ完をする上で「ホイールの選択が狭い」というデメリットが大きくなってしまいます。
タイヤクリアランス
地味に大事なのが「タイヤのクリアランス」。
ディスクブレーキ向けのフレームは太いタイヤを装着することを想定してクリアランスが大きいことが多いですが、リムブレーク向けのロードバイクだと28Cくらいまでのクリアランスが標準。古いモデルではクリアランスが25Cくらいまでが限界ということがあります。
23Cや25Cのタイヤを装着する前提なら問題ないですが、現在の流行になりつつある28Cなどの太いタイヤを選びたい時は特に注意しましょう。
特に、ここ数年で飛躍的に増えているチューブレス、チューブレス・レディタイヤは、28C以上のサイズ展開が多いため、タイヤクリアランスが狭いと、タイヤの選択肢も狭くなることがあります。
ブレーキの取り付け方法
エンド幅と同じくらい重要なのがブレーキの取り付け方法です。
スポーツ自転車のブレーキには、大きくわけて
- リム(キャリパー)
- ディスク
- ダイレクトマウント
- Vブレーキ
の4種類があります。
ロードバイクを組むならリムブレーキ、ディスクブレーキが、MTBを組むならVブレーキとディスクブレーキが主流です。
注意したいのは「STIレバー x Vブレーキ」の組み合わせで、シマノではこの組み合わせはNGとしています。全く使えないという訳ではないですが、ブレーキとブレーキの引き量が合わないため、レバーを握り切っても十分な制動力が得られません。制動力はロードバイクの安全性の基本ですので、避けた方が良いでしょう。
BBの規格
意外と見落としがちなのがBBの規格です。
JISの68mm、ITAの70mm、MTB向けの73mmなどBBシェルの長さにも種類がありますし、取り付け方法もねじ切りとプレスフィット(圧入式)と、いろんな規格があります。シマノのBB・クランクを装備する場合は、JISのねじ切りだと選択肢が多くなります。
BBの規格は、フレームのBBのサイズに合わせて決め、BB規格によってセット出来るフロントクランクも決まってきます。BB規格が合わないと、好みのクランクを取り付けることができないので、バラ完をする際は、どのクランクを取り付けたいのかで、フレームのBB規格を合わせるようにしましょう。
フォークの規格
ロード向け、MTB向けのフレームの場合、通常はコラムがアヘッドステム用になっていることが通常ですが、シティサイクル寄りの格安ロードだったり、クロスバイクのフレーム・フォークでは、シティサイクルで多い「スレッドステム」を採用しているケースがたまにあります。
スレッドステムでもアダプタを使えばアヘッドステム化することは可能ですが、パーツの選択肢が狭くなってしまうので、なるべくアヘッド用のフォークのフレームを選ぶようにしましょう。
フレームのクラック
中古のカーボンフレームでバラ完をする場合は、クラックが入っていないものを確実に選びましょう。
一言にクラックと言っても、ちょっと塗装が禿げる程度のものから、フレームの強度に深刻な影響を与えるクラックまで幅広いので、もしクラックが入ったフレームを買うのであれば、状態をしっかりチェックして、できれば店員さんに確認をしてから購入するようにしましょう。
ロードバイクなどのカーボンフレームモデルに乗っていると起こりうるのが「フレームのクラック」。クラックがどうして起こるのか、どういったものがクラックなのか、クラックが入ってしまったらどうするのかをまとめました。
ルーティング
バラ完をする際にルーティングにも注意しましょう。
ロードバイクのブレーキとシフト(変速)は、制御するSTIレバーと動作するブレーキ本体・ディレイラーを何かしらの方法で繋いでいます。
機械式コンポで組む場合は、
- ワイヤーの本数だけルーティングがあるか
- 外装式ならアウター受け(グロメットなど)はあるか
- 内装式なら、後からでもアウターを通せるか
などをチェックしましょう。例えば、フロントシングルのフレームだと、フロントシフト用のルーティングがないことが多く、その段階でフロント・ダブルで組めなくなります。
シマノのDi2などの電装式のコンポで組みたい場合は、
- 電装式用の穴があるか
- バッテリーを納める方法があるか
などをチェックしましょう。
電装式シフトの場合は、バッテリーと電装ワイヤーのルーティングが機械式と異なるため(シートチューブ内のバッテリーからディレイラーを繋ぐ、など)、基本的には対応したフレームを使う必要があります。フレームに自分で穴を開けて対応することも可能ですが、フレームの強度が下がってしまうリスクがあります。
SRAMのeTapのようにフルワイヤレスの電装コンポだと、フレームの形状を気にしないで済みますが、その分、シマノのDi2に比べてコンポセットの値段が高くなります。
シートポストの径・形状
ロードバイクのシートポストは、一般的には27.2mmか31.8mm径の正円のモデルがメジャーです。
しかし、一部のエアロフレームでは、フレームのエアロ形状に適合させるために独自の形をした専用のシートポスト、シートポストクランプが必要になります。専用品は古いモデルだとすでに流通しなくなっている可能性もあるので、入手できないとその時点で詰んでしまいます。
パーツの入手性が重要になるバラ完では、なるべく標準的なシートポストが使えるフレームを選ぶのが無難です。
また、すでに持っているシートポストと同じ径のフレームを選べば、手持ちのパーツを流用することでコストを抑えることも出来ます。