ロードバイクのサイクルパンツの定番となっているビブショーツ。ビブなしショーツと何が違うのか、どちらを選ぶと良いのかを、それぞれの特徴、メリット・デメリット、用途から比較します。
ゴアテックスはなぜロードバイクに最適なウェア素材なのか
最終更新日: 2022/05/25
公開日: 2022/05/13
寒い時期や雨が続く時期はロードバイクのウェア選びに悩むます。ゴアテックスはそんなロードバイクのウェアの悩みを解決してくれる素材です。
この記事の目次
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ライド中は「寒いのに暑い」のがロードバイク
「常に暑い」状態になる真夏のライドを除いて、外気温は涼しい、もしくは寒いのに、走るとどんどん暑くなっていくのがロードバイクです。
なぜこのようなことが起きるのかというと、ロードバイクでペダリングしている人間側はどんどん体温が上がってくるのに対して、ウェアが「熱を外に放出できていない」ためです。
もちろん、ジャージやウェアの前ジッパーをあげれば通気性が高まりますが、秋から冬のライドではジッパーを開けてしまうと寒くて冷えてしまう、閉めると閉めるで熱が籠って暑い、というどうにもならない状況になります。
雨の日のライドはさらに調整が難しい
雨の日のライドでは、雨で濡れないためにレインウェアを着るのが通常ですが、レインウェアの素材によっては、ウェア自体に汗の蒸気が留まって結露してしまい、ウェアの内部がビショビショになります。
レインウェアは密封しないと雨の水滴がどんどん侵入してくるので前を開けて通気性をよくすることも出来ないため、「汗か雨かの違いだけで、どちらにしても濡れて冷える」ということになってしまいます。
自転車用のレインウェアにはベンチレーションが施されていることがありますが、雨が侵入しない程度のベンチレーションでは内部の結露は防ぐことが出来ません。
ゴアテックスの特性とロードバイクに合う訳
ゴアテックスは「雨・風を通さず、湿度を逃がす」
寒い時期はなるべく外気がウェアの中に入ってこないように防風するのが、寒さを防ぐのに効果的な方法です。
しかし、先程指摘した通り、通常のポリエステルなどのウェアで防風をすると、外から冷気が入ってこない代わりに、内部の熱や湿気も外に出せなくなることになります。
ロードバイクで走っている時は、体はある程度汗をかくので、防風性能が高いと内部に湿気が溜まってしまいます。湿気が溜まると汗をさらにかいて、汗冷えに繋がってしまいます。
もともと、登山用に開発され、宇宙服にも採用された実績があるゴアテックスは、「雨・風を防いで、内部の湿気だけを排出する」という特性がある素材です。
つまり、先程の湿気を通さないという問題点を解決できます。まさにサイクリングに最適な素材というわけです。
実際に、ゴアテックスのサイクルウェアを着てみると、風がないのにスースーした感じがして、内部の熱を外に出してくれているのがわかります。走ってみると風はウェアの中に入ってこないため、寒くなることはありません。
ただし、ゴアテックスがいかに透湿性に優れていたとしても限界があります。例えば、全力走行など汗だくになるような状況ではさすがのゴアテックスでも内部に熱がこもって汗をかきます。
ゴアテックス自体に保温性能はない
先ほど指摘した通り、ゴアテックス自体は「外部から水・風の侵入を防いで、内部の湿度を外部に放出する」という機能をもった素材で、保温性能よりも湿度コントロールに特性があります。
実際、ゴアテックスの商品ページでフィーチャーされている特徴は「防風性」「防水性」「透湿性」「撥水性」の4で、保温についての言及はありません。
ゴアウェアなどの自転車ウェアブランドになると、ゴアテックスとフリース素材などを組み合わせて保温性を高めていますが、ゴアテックス自体はユニクロのヒートテックのように「暖かい」素材ではなく「冷えない」素材と思っておいた方が良いでしょう。
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ゴアテックスウェアを一枚持っておくと1年中使える
「寒い時に快適になる」というイメージのゴアテックスですが、「雨・風を防いで、内部の湿気だけを排出する」という意味では実は1年中使えるウェアです。
そもそも、ゴアテックスは「日中は暑く、夜中は凍えるほど寒い」という高山などに挑む冒険家に愛用される素材で、気温や体温の変化への適応力が売りです。
ゴアテックスのサイクルウェアは、寒い日は防寒用のウインドブレーカーとして使えますし、雨の日のレインウェアとしても活躍してくれます。長袖のゴアテックスウェアになると真夏の炎天下での使用には適さないですが、一枚携帯しておけば突然の雨にも対応できます。
ゴアテックス素材のウェアは高価なものが多く、ウェアへの投資としては大きいものになりますが、一枚でマルチに使えるという意味ではコスパは決して悪くないでしょう。