WheelTopの電動コンポーネント「EDS」の特徴、スペックまとめ
中国メーカーWheelTopが新しくリリースした格安電動コンポーネント「EDS」についてスペックや特徴をまとめました。
公開日: 2023/04/03
似たようなサイズであるロードバイク用の700CホイールとMTB用の29erホイール。それぞれの違いや選び方の違い、違うタイプのホイールをつける際の注意点をまとめました。
この記事の目次
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ロードの700CホイールとMTBの29erホイールを「規格」で比較すると、どちらも欧州標準規格であるETRTOで言えば「622C(700Cタイヤ用)ホイール」というカテゴリーで同じ規格になりますが、「リム」「ハブ」「用途規格」という3つの点が大きく異なります。
項目 | ロード用700Cホイール | MTB用29erホイール |
---|---|---|
ETRTO | 700C | 700C |
リム | 細くて高い | 太くて低い |
ハブ規格 | F:100x9mm、R:130x9mmクイック(リム) F:100x12mm、R:142x12mmスルーアクスル(ディスク) |
F:110x15mm、R:148x12mmスルーアクスル(ブースト) F:100x15mm、R:142x12mmスルーアクスル(アクスルディスク) F:100x9mm、R:135x9mmクイック(クイックディスク) |
ASTMコンディション | カテゴリ1か2 | カテゴリ3以上 |
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
ロードバイク用の700Cホイールはリム内幅が21mm程度、リム外幅が24mm程度でMTB向け29erホイールリムと比較すると狭いリムです。
リム幅は狭いですが、高速巡航性能を高めるためにエアロ効果を狙ってリムハイトが35mm以上の高いものが主流です。ロード用700Cホイールは、リム幅が狭いためハイトを高くしても重量を軽量にすることができます。
一方で、MTB向けホイールのリムは、高速巡航よりもより太いタイヤを装着することを目的とすることが多く、リムの内幅は30mm以上の超ワイドリムが主流で、逆にリムハイトは20mm程度と、ロードで言えば「ローハイト」なリムが定番となっています。これは太いリムでハイトが高いと、リム重量が重くなってしまうためです。
これらの違いは、装着できるタイヤの種類に影響します。
ロード向け700Cホイールも、MTB向け29erホイールも、ETRTO規格的には700C(直径622mm)ですが、リムの内幅が違うため、装着できるタイヤの太さが異なります。
ロード向けのホイールは700x32C程度までに対応することが多いですが、MTB向け29erホイールは29 x 2.1インチ以上、ETRTOにすると700x50Cクラスのタイヤを装着する前提となります。
つまり、ロード向け700CホイールにMTBの太いタイヤは装着できませんし、逆にMTB向けの29erホイールには、ロード向けの700x25Cなどの細いタイヤは装着出来ません。
現在のホイールのメジャーな購入方法である「完組ホイール(完成された状態で販売されているホイール)」で考えた場合、ハブの規格も大きな違いです。
ロード向け700Cホイールは、リムブレーキの場合は「フロント100mm、リア130mmの9mmシャフト・クリックリリース」がメイン、ディスクホイールの場合は「フロント100mm、リア142mmの12mmシャフト・スルーアクスル」がメインです。
一方で、MTBの29erホイールの主流はブースト規格と呼ばれる「フロント110 x 15mm、リア148 x 12mmのスルーアクスル」で、かつては「フロント100 x 15mm、リア142 x 12mmのスルーアクスル」でした。エントリー向け29インチMTBの場合は、価格の問題から「フロント100mm、リア135mmの9mmシャフト・クリックリリース」タイプが主流です。つまり、MTB向けホイールはハブ規格だけでも3種類もあり、それぞれロード用と異なります。
なお、手組みホイールの場合は、ハブとリムの組み合わせを自由にできるため、自分のバイクに適合するハブを選ぶことで互換性の問題をクリアできます。
エンド幅?ブースト?MTBのエンド規格と完成車を買う時の注意ポイント
MTBのエンド規格について詳しく解説|ブースト規格とは?自分のMTBに合うエンド幅は?完成車を買う時の注意ポイントなど。
あまり馴染みはありませんが、ホイールにはASTM規格という用途をカテゴリライズした標準規格が設定されていることがあります。スポーツ自転車用のホイールの用途規格は、世界最大の国際標準化・規格設定機関「ASTM(America Society for Testing and Materials)」が定めた規格を利用するのが主流です。
ロード向けホイールは、基本的にはASTMのコンディション1(舗装路用ホイール)で、最新のホイールではグラベルロードバイクでの使用も見込んで、コンディション1(舗装路+綺麗な砂利道用ホイール)の製品も存在します。ホイールメーカーのHPを見ると、製品のASTM規格ごとに「10cmまでのジャンプ」などと使用制限が具体的に記載されます。
一方で、MTBの29erホイールの場合、ASTMのコンディション3以上が基本です。というのも、MTBで走るコースはコンディション2クラスで想定する「10cmまでのジャンプ」では対応できないことがほとんどだからです。
ASTM規格に合わないから全く使えないということではないですが、例えばASTM規格のコンディション1のホイールでグラベルを走ったらリムが破損したというケースもあるため、特に未舗装路を走る場合はホイールを選ぶ際の重要な基準となります。
ロード向けの700Cホイールを選ぶ際は、基本的には「平地での巡航性能」と「上りでの軽さ」が重要となるため、前後ホイールの重要とエアロ効果(リムハイト、エアロスポークなど)で選ぶのが主流です。
最新の700Cディスクホイールでは1,300gを切る超軽量ホイールも登場していますし、リムハイトも一昔前とは違い35mmハイトはローハイトで、よりエアロ効果の高い40mm以上のハイトのホイールが主流です。
舗装路で高速巡航をすることがメインとなるロードバイクでは「より少ない力で、速く遠くまで走る」ことが重量となるため、こうした選び方がされるのです。
一方で、MTBの29erホイールでも「軽さは正義」ではありますが、大きな段差や荒れている悪路での走破性が重要視されいます。そのため、ホイールの頑丈さを表すASTM規格規格や、より衝撃を吸収しやすい太いタイヤを装着できるかを選ぶ際にチェックします。
ASTM規格規格はメーカーによって表記がない場合がありますが、タイヤの太さについてはリム上の表記やリムの幅から装着可能なタイヤサイズを推定出来ます。
29erホイールでは、2.1インチや2.3インチ幅のタイヤが最低限で、より太い2.6インチ幅のタイヤなども選ばれます。
2.6インチのタイヤはETRTOでいえば700x66Cに相当するため、細いリムのロード用ホイールでは装着が出来ません。
では、ロード用のホイールをMTBの29erバイクに使ったり、29er用のホイールをロードバイクで使うことが出来るのでしょうか?
答えは「ハブの規格」と「フレームのタイヤクリアランス」次第となります。
まず第一にハブの規格が合致していないと、そもそもホイールを車体に取り付けることが出来ません。特に、MTBの29erフロントホイールは15mmシャフトが主流になっているので、基本的にロードバイクの12mmアクスルには取り付けが出来ません。
また、タイヤクリアランスも重要です。想定よりも細いタイヤを装着する場合は問題ないですが、太いタイヤを装着する場合は、クリアランスが十分でないとフレームやフォークにタイヤが擦ってしまいます。
つまり、ホイールの規格だけでなく、フレーム・フォークの規格が問題なければ、種類違いの700C・29erホイールを使うことは可能です。
ロード用700CホイールとMTB用の29erホイールの違いを見てきました。
どちらが優れているのではなく、用途や目的の違いで種類が分かれるため、最適なホイールを選ぶのが重要ということを覚えておきましょう。
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