WheelTopの電動コンポーネント「EDS」の特徴、スペックまとめ
中国メーカーWheelTopが新しくリリースした格安電動コンポーネント「EDS」についてスペックや特徴をまとめました。
最終更新日: 2024/05/23
公開日: 2021/02/05
シマノのグラベル用コンポーネント「GRX」シリーズと組み合わせ可能なロードバイク用コンポーネントについてまとめました。Mixして組むときの注意ポイントについても。
この記事の目次
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シマノのグラベル向けコンポであるGRXは、ロードバイクから派生したコンポーネントとなっているため、ロードバイクのパーツとの互換性が高くなっています。
具体的には、ドライブトレイン周りは、同じ段数で直近2世代のコンポであれば基本的に公式の互換性があります。チェーンやスプロケットは、同じ段数のものであればロード向けコンポと共用です。
GRXとロード向けコンポをMixする場合は、大前提として「スピード数(変速段数)」が同じパーツ同士を組み合わせる必要があります。
GRXは、
の5つのラインアップなので、ロード向けのシマノコンポでは現行のTIAGRA以上と互換します。
具体的な互換は下記の通りです。
モデル | 型番 | スピード | 互換するロードパーツ |
---|---|---|---|
GRX 12スピード Di2 | RX-825 | 12s | DURA-ACE・R9270系 ULTEGRA・R8170系 105・R7170系 |
GRX 12スピード | RX-820、RX-610 | 12s | 105・R7120系 |
GRX 11スピード Di2 | RX-815 | 11s | DURA-ACE・R9170系、9070系 ULTEGRA・R8070系、6870系 |
GRX 11スピード | RX-810、RX-600 | 11s | DURA-ACE・R9100系、9000系 ULTEGRA・R8000系、6800系 105・R7000系、5800系 |
GRX 10スピード | RX-400 | 10s | TIAGRA・4700系 |
GRXのブレーキを使う場合は、GRXは油圧ディスクブレーキのみのラインアップなため、対応するためロード向けSTIレバーについても油圧ブレーキ対応モデルのみが互換します。
シマノの10速コンポについては、TIAGRA 4700系などの「新10速」とULTEGRA 6700系や105 5700系の「旧10速」がありますが、GRXの10速はTIAGRA 4700系の「新10速」互換です。
シマノのロードバイク向けエントリーグレードの上位版であるTIAGRAコンポ。現行上位グレードの11速ではなく、一つ下の10速グレードとしては選びやすいTIAGRAですが、互換性を考えた際にはコンポ選ぶを慎重にする必要があります。
当然ですが、同じスピード数でも電動(Di2)と機械式コンポは組み合わせが出来ません。
シマノのロードバイク向けコンポーネントは、クロスレシオなスプロケットを前提としているため、リアディレイラーの最大歯数やキャパシティがMTB向けコンポに比べて小さくなっています。
最近のリアディレイラーでは、GS(ミドルケージ)モデルもラインアップされていますが、グラベルコンポの場合は、スプロケットがMTB向けの11-42Tや10-51Tなどワイドレシオな製品を選ぶこともあり、その場合、最大歯数が40を超えるものがあるので、ロード向けのGS(ミドルケージ)モデルでも対応できません。
ロー最大が36を超えるようなワイドレシオなスプロケットを使う際は、素直にGRXのリアディレイラーを選びましょう。
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もう一つ注意したいのが、GRXシリーズのSTIレバーは全て「油圧ディスクブレーキ専用」ということです。GRXには機械式ブレーキ用のSTIレバーのラインアップがありません。
ロードバイクのディスクブレーキには、機械式と油圧式がありますが、「ワイヤーを引いて物理的にキャリパーを閉める」機械式と、「ホース内に充填したオイルの圧力の差でキャリパーを閉める」油圧式は、そもそも構造が違うため両立ができません。
また、シマノのロード向けコンポーネントには油圧式のリムブレーキはありませんので、リムブレーキも使えません。
ロードバイクをディスクブレーキ化するとなると、ホイールだけでなくフレームもディスク用のフレームを用意する必要があるため、全て揃えるとなると完成車を買うのと同じくらいのコストになる場合があります。
ロードバイクのディスクブレーキ化に必要なパーツと買う時の注意ポイント
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現在リムブレーキのロードバイクに乗っていて、GRXコンポを使ってグラベル化を検討しているのであれば、STIレバーだけはGRXではなくロード向けのGRXと互換するSTIレバーを使う方が、交換コストが少なくて済みます。
GRXコンポと互換性があるロード向けのSTIレバーは下記の製品になります。
モデル | GRXの型番 | スピード | 互換するロード用STIレバー |
---|---|---|---|
GRX 12(機械式変速) | RX-820、RX-610 | 12s | ST-R7100 |
GRX Di2(電動式変速) | RX-815 | 11s | ST-R9170、ST-R8070、ST-R785 |
GRX 11(機械式変速) | RX-810、RX-600 | 11s | ST-R9120、ST-R8020、ST-R8025、ST-R7020、ST-R7025、ST-RS685、ST-RS505 |
GRX 10(機械式変速) | RX-400 | 10s | ST-R4720、ST-R4725、ST-RS405 |
シマノのSTIレバーの型番は、ベースの型番(例:ST-91000)に50を足すと「Di2」、20を足すと「油圧ブレーキ用」、5を足すと「スモールハンド用」となる※1ので、70番台は「Di2の油圧」、20番台は「機械式の油圧」と覚えておけば良いでしょう。
※1: ST-R785、ST-RS685、ST-RS505、ST-RS405については例外
なお、上記の表にない、機械式シフト&機械式ブレーキのSTIレバー、例えば、105であればST-R7000などをGRXコンポとミックスして使いたい場合は、ブレーキのみを機械式ディスクブレーキキャリパーにすれば使うことが出来ます。
シマノ製品ならBR-RS303を使うか、シマノ公式互換外となりますが、GrowtacのEQUALなどを使えばGRXコンポとロード用機械式STIレバーを組み合わせることは可能です。
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シマノのグラベル向けGRXとロードバイク向けのDURA-ACEで互換性があるのは、DURA-ACE・R9100系と9000系です。最新のR9200系はDi2 12速のため、変速システムはGRXとは互換がありません(クランクセット、ブレーキキャリパーのみ互換)。
モデル | 型番 | スピード | 互換するロードパーツ |
---|---|---|---|
GRX Di2 | RX-815 | 11s | DURA-ACE・R9150系、9070系 |
GRX 11 | RX-810、RX-600 | 11s | DURA-ACE・R9100系 |
※GRXのブレーキパーツを使う場合、互換するのはDURA-ACEの油圧対応パーツのみ
シマノのグラベル向けGRXとロードバイク向けのULTEGRAで互換性があるのはULTEGRA・R8000系と6800系です。最新のR8100系はDi2 12速のため、変速システムはGRXとは互換がありません(クランクセットとスプロケット、ブレーキキャリパーのみ互換)。
モデル | 型番 | スピード | 互換するロードパーツ |
---|---|---|---|
GRX Di2 | RX-815 | 11s | ULTEGRA・R8050系、6870系 |
GRX 11 | RX-810、RX-600 | 11s | ULTEGRA・R8000系、6800系 |
※GRXのブレーキパーツを使う場合、互換するのはULTEGRAの油圧対応パーツのみ
シマノのグラベル向けGRXとロードバイク向けの105で互換性があるのは、105・R7100系(機械式)とR7000系、5800系です。
最新のGRX 12速シリーズは、変速が機械式オンリーとなっているため、ロード向けで唯一12速の機械式のラインアップがある105のR7100のみが互換します(STIレバー、F/Rディレイラー、スプロケット、クランクセット、ブレーキキャリパー)。
モデル | 型番 | スピード | 互換するロードパーツ |
---|---|---|---|
GRX 12 | RX-820、RX-610 | 12s | 105・R7100系 |
GRX 11 | RX-810、RX-600 | 11s | 105・R7000系、5800系 |
※GRXのブレーキパーツを使う場合、互換するのは105の油圧対応パーツのみ
シマノのグラベル向けGRXとロードバイク向けのTIAGRAで互換性があるのは、TIAGRA・4700系とGRX 10の組み合わせのみです。TIAGRA・4600系は旧10速のため互換性がありません。
モデル | 型番 | スピード | 互換するロードパーツ |
---|---|---|---|
GRX 10 | RX-400 | 10s | TIAGRA・4700系 |
※GRXのブレーキパーツを使う場合、互換するのはTIAGRAの油圧対応パーツのみ
GRXとロードバイク向けのスプロケットは同じ変速数であれば、基本的に互換します。
スプロケットは互換性が広いパーツなので、同じ変速数でディレイラーの歯数キャパシティ内(フロント、リア、トータル)であれば、旧モデルのスプロケットでも使用可能です。
モデル | 型番 | スピード | 互換するロードスプロケット |
---|---|---|---|
GRX 12 | RX-820、RX-610 | 12s | CS-R8101-12、CS-R7101-12、CS-HG710-12、CS-M8100-12、CS-M7100-12 |
GRX Di2 | RX-815 | 11s | CS-R9100、CS-R8000、CS-R7000、CS-9000、CS-6800、CS-5800 |
GRX 11 | RX-810、RX-600 | 11s | CS-R9100、CS-R8000、CS-R7000、CS-9000、CS-6800、CS-5800 |
GRX 10 | RX-400 | 10s | CS-6700、CS-5700、CS-4600 |
注意したいのは、最新のGRX 12スピード・シリーズのスプロケットです。
型番に「R」がつくCS-R0000系のロード向けスプロケットは、ロードバイクホイールで定番のHGスプラインL(いわゆるロード系シマノHG 11速)フリーボディに取り付け可能ですが、型番に「M」がつくCS-M0000系のMTB向けのスプロケットは、対応フリーボディがMicrosplineのみとなり、場合によってはホイールの交換も必要となります。
GRXのクランクは、シマノのホローテックII規格なので、BBがホローテックIIのBBであればシマノのロード向けクランクと交換が可能です。
GRXチェーンリングとフロントディレイラーの互換性については、GRXは10〜12速コンポなのでロード向けの10〜12速と互換しそうな気がしますが、シマノ公式には「互換性があるのはGRXコンポ同士のみ」としています。ただし、フロント変速の互換性はそこまでシビアではないとも言われるため、公式互換外で使える可能性があります。
チェーンリングについては、GRX同士であればチェーンリングに互換性があるため、交換が可能です。
注意したいのはGRX以外のクランクとの互換性で、GRXのクランクのうちフロントダブルの「FC-RX810-2」「FC-RX600-11」は4アーム・PCD110で、シマノのロード向けフロントダブルのチェーンリングと数字上は同じ規格ですが、GRXチェーンリングが形状が特殊なため、ロード向けの4アーム・PCD110のクランクに取り付けは出来ません。
例えば、「105のクランクセットであるFC-R7000のチェーンリングを、FC-RX600-11の46-30Tのチェーンリングに交換して乙女ギア化する」ということは出来ないため、FC-RX600-11クランクセットごと交換する必要があります。
ロードバイク用コンポと相性が良いシマノのグラベル用GRX。基本的には互換性が高いですが、
という点にだけ注意するようにしましょう。
新しいロードを買った後に、「もともと乗っていたロードをGRXコンポと組み合わせてグラベルにする」といった選択肢も出てくるので、自転車の楽しみ方の幅が広くなります。
グラベル用GRXとロードコンポをミックスするメリットは、
という点でしょう。
ロードバイクをグラベル化する際は、既存のロードパーツから段階的にパーツをGRXにするということができるため、初期コストを下げることができます。
また、GRXは現在4グレード展開ですが、ロード向けコンポと組み合わせることでロード向けのパーツが選択肢に入るため、重量や価格などの面で選択肢が増えます。
シマノの公式互換チャートに記載の組み合わせであれば、ミックスすることでパーツが持っている性能が落ちることは基本ないと思われます。
ただし、グレード違いのパーツを組み合わせると、下位グレードに引っ張られて性能が落ちる可能性はゼロではありません。
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