平日の日中忙しくてロードバイクのトレーニングが出来ない人にオススメなのが夜練。今回は、夜練をするメリットと注意点をまとめました。
ロードバイクにおける平均速度と巡航速度の違い
最終更新日: 2023/06/20
公開日: 2020/10/01
ロードバイクにおける平均速度と巡航速度の違いを詳しく解説。似ている言葉ですが、実際に計算してみると全く違う意味だとわかります。
この記事の目次
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それぞれの言葉の定義
平均速度の定義
平均速度は、「平均速度 = 走行距離(km) / 走行時間(時)」で算出されます。学校の数学で習う速度の計算そのままです。(ただし、サイクルコンピュータやスマホのサイクルトラッキングアプリを使う場合は、計算が異なることがあります。)
サイクルコンピュータは、走行時間を「車輪が回っている時間」で計測するため、信号や休憩で止まっている時間を含まないことがほとんどです。GPSタイプのサイコンだと移動が止まって数秒で走行時間を止めます。つまりサイクルコンピュータの平均速度は「走っている時間中の平均速度」です。
一方で、サイクルトラッキングアプリの場合は「スタートボタンをタップしてから計測終了まで」とすることが多く、より計算式に近い平均速度を算出しています。(アプリによっては自動ストップに対応しているアプリもあります)
巡航速度の定義
巡航速度は「航空機や船舶、車両などが燃料の消費効率が最も良い状態で移動(巡航)できる値」とされます。平均ではなく燃費が基準となっている点が平均速度と異なる点です。
ただし、ロードバイク界隈では「(ストップ・ゴー以外の減速を強要されない)基本とする走行速度」と解釈されることが多いようです。
元々の意味の「燃費の良い状態」を考慮すると、心拍数負荷状態でいう「有酸素運動の範囲内で安定して走行できる速度」というのが正しい使い方になりますが、ロードバイク界隈での「巡航速度XXkm/h」というのがその意図で語られているかは、発言者によって異なるため定義できません。
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時速30kmで「平均速度」と「巡航速度」の違いを見てみよう
同じ1時間走ったらどっちが速い?
まずは、「(平均 or 巡航)速度30km/h」で1時間走ったケースで到達する距離を比べてみましょう。走行シチュエーションは、「信号の多い都市部」と「サイクリングロード」の2つで比べます。
巡航速度の定義は、
- 心拍数負荷状態に関わらず「加速が終わって速度を維持して走行する速度」
- 信号の多い都市部は走行時間中の30%が巡航速度で走行
- サイクリングロードでは走行時間中の80%が巡航速度で走行
- 巡航速度外の区間は巡航速度の半分の速度
とします。それぞれの1時間の走行距離を比較してみましょう。
コース | 時間 | 平均速度30km/h | 巡航速度30km/h |
---|---|---|---|
信号の多い都市部 | 1時間 | 30km | 19.5km |
サイクリングロード | 1時間 | 30km | 27km |
平均速度と巡航速度に違いがあることがわかります。
差が少ないサイクリングロードでも、同時スタートで1時間後の到達距離は3kmも違います。3kmというと、電車の一駅分くらいの距離ですので、差が大きいことがわかります。
ストップ&ゴーの多い都市部では差が顕著で、1時間後の到達距離は10km以上も違います。もし巡航速度30km/hで走る人が、平均速度30km/hで走る人とサイクリングをしたら、もはや一緒に走っている感覚は0でしょう。
巡航速度を平均速度にしてみると?
次に、巡航速度から平均速度を計算してみましょう。計算条件は先程と同じで、都市部を走っている前提とします。
巡航速度 | 平均速度 | |
---|---|---|
45km/h | 30km/h | |
30km/h | 19.5.km/h |
巡航速度45kmというと、都市部で言えば車と並走しているレベルですが、平均速度に落とすと時速30kmほどでそこまで速くないように見えます。実際にはかなりの速度で走っているので、都市部ではかなり危険な走行と言えます。
一方で、都市部で巡航速度30km/hで走った時の平均速度は19.5kmですが、それでも1時間で電車10駅くらいのところまで行けると考えたら、自転車としては速い部類に入ります。
このように、同じ速度30km/hでも、「平均 or 巡航」「都市部 or サイクリングロード」で実際の速度にかなり差があることがわかります。
ロードバイク初心者の壁「30km/h」は巡航速度か平均速度か?
ロードバイク界隈では「ロードバイク初心者の壁は30km/h」と言われているようです。しかし、これは平均速度なのか巡航速度なのか、走る場所は都市部なのかサイクリングコースなのかわかりません。
プロのロードレーサーのレースの平均速度が40〜50km/hくらいと言われているようですので(平坦コースか、クライムコースかで異なります)、脱初心者の判断基準が平均速度30km/hだとすると、もうすぐにプロになれてしまうレベルです。
プロ・ロードレーサーが自転車で42.195kmを走ったら何分くらいかかる?
そう考えると、初心者の壁30km/hは「巡航速度」と考えるのが妥当でしょう。
また、ロードバイクが走る前提をロードレースだとすると、ロードレースには信号がないためストップ・ゴーの頻発しないため、同等条件はサイクリングロードと言えます。
こうして考えてると、ロードバイク初心者の壁とは「サイクリングロードなど、ストップ・ゴーが少ない道を、巡航速度30km/hで走ること」と言って良さそうです。
巡航速度で目標設定をするサイコンがあると良い
スマホやスマートウォッチで後からライドの平均時速を確認することは簡単ですが、「巡航速度30km/hで走る」などの目標を立てて走る、もしくはトレーニングをする場合は、リアルタイムで現在の時速を知る必要があります。
車やバイクと違って、自転車には速度計がないため、リアルタイムで速度を確認する場合にはサイクルコンピュータ(サイコン)と呼ばれるアクセサリを使うのが一般的です。
サイコンは数千円のモデルから、カーナビ並の機能を備えた10万円台のモデルまで様々な製品がありますが、巡航速度を確認するだけなら安いモデルで良いでしょう。
これからサイクリングを趣味にしていこうという方は、安いものから入っても良いですが、サイコンは使い出すとどうしてもハイエンドモデルが欲しくなってしまうので、エントリーモデルでも良いので、最初からGarminやbrytonなどの専門メーカーの本格的なサイコンを購入することをオススメします。
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ロードバイクにおける平均速度と巡航速度の違いを見てきました。
たった二つの感じが違うだけで全く別の意味となってしまう平均速度と巡航速度。普段のサイクリングやトレーニングで速度を目安にしている際には、違いに気をつけて使ってみてください。