WheelTopの電動コンポーネント「EDS」の特徴、スペックまとめ
中国メーカーWheelTopが新しくリリースした格安電動コンポーネント「EDS」についてスペックや特徴をまとめました。
公開日: 2024/03/15
11速までと大きく変わった、シマノの12速スプロケットを使う上で重要な「取り付けるホイール(フリーハブ)」と「ドライブトレイン」の二つの互換性について解説します。
この記事の目次
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シマノの12速スプロケットの互換性は、
の2つの互換性をチェックします。
シマノの9〜11速スプロケットには、「HYPERGLIDE1」と「LINKGLIDE2」の二つの変速テクノロジー用のモデルがありますが、2024年現在、シマノの12速ドライブトレインは「HYPERGLIDE」モデルしかありません。
そのため、9〜11速ドライブトレインと違って、シマノの12速ドライブトレインのパーツを選ぶ際は変速テクノロジーの違いを気にする必要はありません。
シマノの12速スプロケットの取り付け規格は、
の2種類があります。
シマノのフリーボディ規格は、11速まではロードもMTBも「HG Spline」系の規格だったため、ロード用スプロケットとMTB用スプロケットで共用ができたり、変速数が変わってもホイールはそのままでも使うこともできました。
しかし、12速になって、
と全く違う規格を採用することになっています。
主なシマノのフリーボディ規格と、各12速スプロケットの互換性を表にすると下記にようになります。
フリーボディ | HYPERGLIDE ロード12速 | HYPERGLIDE MTB12速 |
---|---|---|
Micro Spline(シマノ・MTB12速) | - | ◎ |
HG Spline L2(シマノ・ロード12速) | ◎ | - |
HG Spline L(シマノ・ロード11/12速) | ◎ | - |
HG Spline M(シマノ8〜11速) | - | - |
シマノ10速専用 | - | - |
ロード用12速スプロケットの「HG Spline L2」という規格は、ロード11速スプロケットの規格である「HG Spline L」のフリーボディを、形状は同じままでスリット数を倍の18本にした規格です。
そのため、「HG Spline L」のホイール、いわゆる「シマノ・ロード11速ホイール」は「HG Spline L2」規格ロード用12速スプロケットを取り付けることができるように設計されています(フリーボディの溝1本あたりに、スプロケットの溝2本がはまるため)。
逆に「HG Spline L2」規格のフリーハブを搭載したホイールでは、11速スプロケットを取り付けができません。なぜなら、受ける側のフリーボディのスリットの本数が18本と多いからです。
MTB向けHYPERGLIDE 12速スプロケットは全てMicro spline規格のため、Micro splineフリーボディとだけ互換します。
逆にいうと、シマノのMTB用12速ドライブトレインは、Micro splineフリーボディ以外では使うことができないという意味でもあります。
MTB向けの12速は全て機械式ですが、ロード用12速はDURA-ACEとULTEGRAがDi2のみ、105はDi2と機械式の両方があり、GRXは機械式のみです。
シマノのロード系12速は、Di2か機械式かで対応するスプロケットのモデルが異なる点に注意しましょう。
特にULTEGRAと105は型番の4桁の数字の末尾が「0 = Di2用」、「1 = 機械式用」と、違いがわかりづらいため、購入前に必ずチェックをしましょう。
型番 | Di2 12速 | 機械式 12速 |
---|---|---|
CS-R9200-12 | ◎ | - |
CS-R8100-12 | ◎ | - |
CS-R8101-12 | - | ◎ |
CS-R7100-12 | ◎ | - |
CS-R7101-12 | - | ◎ |
CS-HG710-12 | - | ◎ |
ロード向け12速スプロケットはトップ最小歯数が11速と同じ「11T」ですが、MTB向け12速スプロケットはMicro splineを採用することで「10T」と小さくなっています。
また、MTBは11速よりも圧倒的にローギアが大きい「ウルトラ・ワイド化」している点も大きな違いです。ロード向けスプロケットも12速でワイド化していますが、さすがにロー最大51Tほどワイド化はしていません。
そのため、これまでのようにロードとMTBのドライブトレインでスプロケットの共用はできなくなっています。
型番 | 対応変速システム | 11-30T | 11-34T | 11-36T | 10-45T | 10-51T |
---|---|---|---|---|---|---|
CS-R9200-12 | Di2 ロード 12速 | ◎ | ◎ | - | - | - |
CS-R8100-12 | Di2 ロード 12速 | ◎ | ◎ | - | - | - |
CS-R8101-12 | 機械式 ロード 12速 | ◎ | ◎ | - | - | - |
CS-R7100-12 | Di2 ロード 12速 | - | ◎ | ◎ | - | - |
CS-R7101-12 | 機械式 ロード 12速 | - | ◎ | - | - | - |
CS-HG710-12 | 機械式 ロード 12速 | - | - | ◎ | - | - |
CS-M9100-12 | 機械式 MTB 12速 | - | - | - | ◎ | ◎ |
CS-M8100-12 | 機械式 MTB 12速 | - | - | - | ◎ | ◎ |
CS-M7100-12 | 機械式 MTB 12速 | - | - | - | ◎ | ◎ |
CS-M6100-12 | 機械式 MTB 12速 | - | - | - | - | ◎ |
シマノの12速ドライブトレインは、スプロケットの歯数構成の選択肢が狭くなった反面、ディレイラーの選択肢が明確となっています。
11速までは同じ型番のリアディレイラーでも「SS(ショート・ケージ)」「GS(ミディアム・ケージ)」に分かれていて、使うスプロケットによって交換が必要でした。
12速については、使うギアの構成パターンが現状では6種類(ロード・3種類、MTB・3種類)しかなく、使うギア構成とディレイラーの選択肢がほぼ1:1となっています。
シリーズ | 2 x 11-30T | 2 x 11-34T | 2 x 11-36T | 2 x 10-45T | 1 x 10-45T | 1 x 10-51T |
---|---|---|---|---|---|---|
DURA-ACE R9200系 | RD-R9150 | RD-R9150 | - | - | - | - |
ULTEGRA R8100系 | RD-R8250 | RD-R8250 | - | - | - | - |
105 R7100系 | - | RD-R7150 RD-R7100 |
RD-R7150 RD-R7100 |
- | - | - |
GRX RX820系 | - | RD-RX820 | RD-RX820 | - | RD-RX822-GS | RD-RX822-SGS |
XTR M9100系 | - | - | - | RD-M9100-SGS | RD-M9100-GS | RD-M9120-SGS |
DEORE XT M8100系 | - | - | - | RD-M8100-SGS | RD-M8100-GS | RD-M8120-SGS |
SLX M7100系 | - | - | - | RD-M7120-SGS | - | RD-M7100-SGS |
DEORE 12s M6100系 | - | - | - | - | - | RD-M6100-SGS |
ここまでみてきた通り、11速までと違ってロードとMTBでスプロケットの互換性がほぼなくなったシマノの12速ドライブトレインですが、その中間を取るポジションにGRX 12速(RX820シリーズ)4があります。
GRX 12速は、
のラインアップになっていて、これまでの「ロードをワイドレシオ化」「MTBをクロスレシオ化」といったカスタマイズは、これからはGRXが担うようになるのでしょう。
シマノの12速ドライブトレインを選ぶ際は、GRXコンポーネントにすると、ロード的なカスタマイズもMTB的なカスタマイズも、両方楽しむことができます。
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