ホイール

公開日: 2022年11月9日

自転車のパーツの中でもアップグレード効果の高いパーツの一つがホイール。ホイールは走りの特性を生み出し、バイク全体の性能にも大きな影響を与えます。

ホイールに関する基礎知識

ホイールを構成するパーツと役割

一言でホイールといっても、複数のパーツが組み合わさって構成されています。

ホイールを構成するパーツは大きく分けて3つ、「リム」「ハブ」「スポーク」です。

リムはホイールの外周部分でタイヤを嵌めるパーツです。リムの規格次第で、適合するタイヤの種類やサイズ、そして使うことが出来るブレーキの種類も決まってきます。

ハブはホイールを回転させるためのパーツで、シャフト(軸)を通すボディと抵抗を減らすベアリング、そしてギアを取り付けるフリーボディ/ボスフリーで構成されます。ハブの規格次第で、取り付け出来るスプロケット、ブレーキが決まってきます。

最後にスポーク。スポークはニップルなどを使ってハブとリムを繋ぐ役割があります。こういうと単純なパーツに思えますが、スポークはホイール全体の性能や乗り心地に大きな影響を与えます。また、部品点数が多いことから、スポーク重量がホイール全体に与える影響も大きくなります。

完組みホイールと手組みホイールの違い

かつてはロードバイクやMTBなどのスポーツ自転車では、プロショップで「リム」「ハブ」「スポーク」「ニップル」を選んで組み立ててもらう「手組みホイール」が主流でした。「手組みホイール」にすることで、自分の身体や用途に合わせたオリジナルのホイールが組めるというメリットがあります。

それに対して、現在ホイールの買い方で主流になってきているのが完組みホイール。メーカーが工場でホイールを完成状態に組み上げて出荷するため「手組み」に対して完成しているという意味で「完組み」と呼ばれます。

完組みホイールは高性能なホイールを量産することで低価格に出来るのが大きなメリットで、近所にプロショップがないユーザーでも、高品質なプロユースのホイールを入手できるというメリットがあります。

知っておきたいホイールの規格

自転車を買えば付いてくるホイールですが、ホイールを交換する際は規格に合ったものを選ぶ必要があります。

  1. ホイール径(ホイールサイズ)
  2. ブレーキ規格
  3. エンド規格(幅、シャフト規格)
  4. 対応タイヤ
  5. 対応フリーボディ
  6. 使用用途

たかがホイールの交換でもこれだけの規格が組み合わさって製品が出来ているのです。ただ、しっかりとわかっていれば難しいことはありません。

ホイールを交換・アップグレードすると起きる変化と効果

ロードバイクやMTBなどのスポーツ自転車に乗り始めると、アップグレードをしたくなるのがホイールです。ではホイールを交換するとどんな変化が起きて、どんな効果が得られるのでしょうか。

重量

ホイールをアップグレードする際に多くの方が注目するのがホイール重量。ホイールは重量物が高速回転しているので、軽量なほど少ない力で回転することが出来ます。そのため、ホイールが軽いほど走りが軽くなります。

ロードバイクなどの「効率重視」の自転車では、より軽量でよりエネルギーロスの少ないホイールが選ばれるため、前後で1,300g未満の超軽量ホイールも存在します。

一方で、MTBでアドベンチャーライドやエクストリームライドをする場合は、重量だけでなく「大きな衝撃を受けても壊れない」頑丈さが重要になるため、必ずしも軽量さだけが重量ではありません。

回転性能

上位グレードのホイールにアップグレードすると見た目的にもわかるのが回転性能。手で持って回転させると、スーッといつまでも回転するホイールもあるほど、上位グレードホイールは回転抵抗が少ないモデルが多くなります。

自転車でより効率良く走るには入力したパワー(ペダリング)をいかにロスしないかが重要になるため、回転性能が高いと、それだけ効率的に走行することが可能になります。

エアロ効果(空気抵抗の軽減)

ここ数年でカーボンリムホイールが普及したことで注目されているのがエアロ効果(空気抵抗の軽減)。ホイールはスポークという羽がついた扇風機のようなもので、走行時は風の渦を作ります。これが自転車の直進性能にマイナスの影響を生んでいることが研究でわかっています。

こうしたホイール自身が生み出す空気抵抗を減らすために採用されるのが、リムの高さがあるディープリムホイール。スポーク部分の直径を狭くすることで空気抵抗を軽減させる(エアロ効果)ことが出来ます。

適合するタイヤ

意外と考えていないことが多いですが、ホイールを選ぶ際はタイヤタイプもしっかり考えておく必要があります。

ホイールによって、

  1. クリンチャー
  2. チューブラー
  3. チューブレス
  4. チューブレス・レディ

と適合するタイヤの規格が異なります。

また、同じチューブレスホイールでも「リムテープの有無」「リムフックの有無」などで使い方も変わってくるため、ホイールを交換する際は注意が必要です。

ホイールとメンテナンス・修理

ホイールでメンテナンスが必要なパーツ

ここ数年に発売された大手メーカーの完組みホイールは、一般用途で使用頻度が低ければ、メンテナンスなしでも乗り続けることが出来るものが多いですが、パワーをかける場合や使用頻度が高い場合は、メンテナンスが必要です。

ホイールは、ほとんど全てのパーツがメンテナンスが必要で、

  1. リム(リムテープ)
  2. スポーク・ニップル(テンション調整、振れ取り)
  3. ハブ(グリスアップ)
  4. フリーボディ(グリスアップ)

海外メーカーなどがハブに採用するシールドベアリングを採用している場合、基本的にはハブ回転軸のメンテナンスは不要(メンテナンスフリー)ですが、「カップ&コーン」方式の場合は、ハブ内部に侵入した砂や泥などを綺麗にする必要があります。

ホイールの保管方法と便利なアクセサリ

ホイールを1セットしか持っていない場合は、自転車に取り付けたままなので保管方法はないですが、ロードバイクやMTBなどで用途によって使うホイールを使い分ける方は、ホイールを痛めない保管方法を取る必要があります。

ホイールを保管する際にダメージを与えてしまうのが主にリムで、何かにぶつけたりぶつかったりして傷をつけたり、カーボン製品だとクラックを入れてしまったりします。

ですので、他のものとぶつからないところで保管するのがベスト。ホイールバッグを使うと、擦れなども防止できて、持ち運びの際に持ちやすくなるので便利です。

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